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子持山・浅間山 [上信越]

2017/11/03(金・祝)

■第363回 : 子持山(1296m)・浅間山(1088m)


今回の行先は、群馬県の子持山です。今年の9月以降、重点的に進めている、「存続が危ぶまれるバス路線を利用する計画を早いうち実行してしまおう」シリーズの一環として出掛けてきました。
2週連続で台風が上陸するなど、10月中の週末はことごとく天気に見放されてしまい、 実に1ヶ月ぶりとなった今回の登山でしたが、その間ずっと出掛けられなかった鬱憤を晴らすかのような、雲ひとつないほぼ完璧な快晴に恵まれて、気持ち良い山歩きができています。

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:55-05:38 新宿
新宿 05:47-05:56 赤羽 06:01-06:36 大宮
大宮 06:54-07:18 高崎 07:45-08:33 沼田
沼田駅前 08:50-09:06 子持山入口

(登山行程)
子持山入口バス停 09:10
小峠     10:00
子持山    11:10-11:25
柳木ヶ峰   11:40
浅間山    12:30-12:45
子持神社   13:45-13:55
空恵寺    14:20-14:30
伊熊バス停  14:55-15:15
敷島駅    15:35

(復路)
敷島 16:25-16:56 高崎 16:59-18:37 赤羽
赤羽 18:41-18:55 新宿 19:11-19:45 相模大野
相模大野 20:25-20:40 南警察署前


大きなマップで見る

未明に始発電車を捕まえて出発し、上越線まで乗り継いでくると、いよいよ目指す山が車窓に姿を現しました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
下車したのは沼田駅。駅舎越しに見えているのは子持山です。これから乗るバスは、午前中は早朝に2本あるだけの路線で、在来線だけを乗り継いで来るとどうしても間に合わず、大宮-高崎間は新幹線を利用しました。
中山本宿行きのバスは、乗客が私ひとりだけでした。その様子では、このバス路線がいつまで存続しているか怪しいので、やはり今年のうちに来ておいたのは正解だったことでしょう。
降りたバス停は、名前こそ「子持山入口」ですが、実際にここから歩き始める登山者がいることは想定されていないようで、道案内は一切ありませんし、ヤマレコにも、ここから歩いた記録は登録されていないようです。

朝から気温が高かったこの日、バスを降りたらもうポカポカ陽気で、自宅から着てきたジャケットはもはや不要でした。11月に入った北関東で、朝9時から山シャツ姿で歩き始めるという予想外の展開に驚きながら、まずは小峠を目指して車道を進みます。進行方向に時々見える子持山は、まだまだ遠い眺めでした。
小さな集落をいくつか通過します。休日の朝の静けさに、穏やかな天候が重なり、とても長閑な雰囲気でした。
T字路を右折します。左から合わさるのは、沼田市が登山マップで案内する寺尾バス停からの道ですが、地図を見ると子持山入口バス停のほうが近くて、標高差も小さく抑えられると分かり、そちらから歩いて来ました。
寺尾バス停からの道に合わさってからは、要所(2箇所だけですが)では道案内を見掛けるようになりました。
最後の集落を過ぎると、小峠までの距離もあとわずか。ここでは案内に従って、右の細い道に入ります。
その細い道もコンクリートで舗装されていて、結局小峠までは舗装された道しか歩かなかったのでした。

小峠に到着すると、訪れる人の少ない、地味で質素な場所かと思っていたら、地面が荒れ放題で愕然とします。
なんとそこは、伐採工事の真っ最中だったのでした。休日で工事はお休みらしく、人は見掛けませんが、重機に容赦なく踏み荒らされたグチャグチャの地面が物々しい気配を漂わせていて、悪い時に来てしまったようです。

小峠から子持山へ向かう林道も、道幅いっぱいをキャタピラの轍が埋め尽くし、そのデコボコが歩きにくくて閉口しました。静かなはずの森も殺伐とした雰囲気に変わってしまい、歩いていて味気ないことといったら‥‥。
それでも我慢して10分ほど歩くと、林道から登山道が分かれてくれて、殺風景な道からやっと開放されました。
しかし、雰囲気が良くなってヤレヤレと思ったら、その代わりに待っていたのは、木段が連続する急登でした。
しかもその木段、設置後は放置されて何も手入れが行われていないのか、段と段の間の土が完全に流れてしまい、今やすっかり障害物と化していました。こんな状況にするのなら、最初から作らないほうが良かったのでは?
おまけに至る所で壊れています。ここなどは、手摺りが作られるほど勾配が急なのに、木段の脇の単なる斜面を登り下りするしかありません。木段の登りもキツイものですが、ここまで急坂だと斜面を歩くのも大変でした。
途中で一旦緩やかな区間を挟んで、ひと息つけますが‥‥。
すぐ先にはまた同じような木段が待ち構えていて、先ほど見てきたばかりの状況が再現されます。
やはりこちらも、ことごとく木段の体をなしていなくて、道はその脇の斜面にそっくり付け変わっていました。
長い木段を登り終えると、ようやく穏やかな登山道を歩けるようになりました。

さらに登ると、西麓の中山峠からの林道に出ます。ぐんま天文台の駐車場まで車で上がり、そこから林道を登ってくるコースはそこそこ利用者がいるようで、これ以降は登山者と時折すれ違うようになりました。
林道を歩く距離はほとんどなくて、またすぐに登山道の入口がありました。
紅葉の名残を見ながら登ります。当初は先月中に来る予定を立てていたのに、10月は週末になると決まって天気が崩れることの繰り返しで、すっかり見頃の時期を外してしまいました。
ササの中を歩くようになると、いよいよ頂上も間近です。
稜線に上がれば、残す登りもあとわずか。落葉した木立の間から、なんとなく頂上が見えてきました。
そこからは、緩やかな稜線を気持ち良く歩いたのち、頂上直下の登りをひと頑張りで登頂となりました。

子持山の頂上は、ここに写っているスペースがほぼ全てで、ちょっと手狭な感じです。先客は、地元沼田からの2人組と、私と同じ神奈川からの2人組の計4人。地元のお2人が、展望などの説明をして下さいました。
上の写真にも写っていますが、頂上には十二山神が祀られているほか、一等三角点と展望盤があります。
コースマップ兼用の展望盤は、山の生い立ち解説や、屏風岩・獅子岩の見所紹介も載っていて情報満載でした。

子持山からの展望は、樹木によって方角が限られていたものの、西側は割と広い範囲を見渡せました。スッキリと晴れていたおかげか、榛名山の上にはうっすらと八ヶ岳まで見えていて、なかなか爽快な眺めです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
反対の東側も、1枚のパノラマ写真にしようと試みたのですが、珍しく合成がうまくいかなかったので、3枚をバラバラに載せることになりました。まずは北北東から北東にかけての方角です。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
お次は、上の写真の右に続く北東側。日光白根山はすでに雪化粧をまとっていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
さらに右、ほぼ真東の方角では、赤城山が大きな裾野を広げていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
一方の北側は、はじめから1枚の写真に収まるような、狭い範囲の眺めにとどまりました。さすがに上越国境の稜線ともなると、どの頂も雪に覆われ始めていますね。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。

子持山の頂上を後にして、南への稜線を下ります。登ってきた北側には、特段の難所もない穏やかな登山道が続いていたのに対して、南側に下り始めた途端に道の様子が一変、すぐさま急峻な岩場が現れました。
補助ロープを頼りに岩壁を下ります。大半の人はここが往復になるので、まず先に登りを経験してから下れるのでしょうが、私の場合は初見でいきなり下りになる上、予想よりも手強かったので、少し緊張させられました。
最初の岩場を下り終え、振り返って見上げたところです。さほど長くはないものの、そこそこ傾斜がありましたし、途中で足場に迷ったりしてすんなりとは下れなかったので、決して簡単な部類ではなかったと思います。
その後も断続的に岩場が現れます。いずれも短いものですが、中には再び補助ロープが下がるなど、それなりに険しい箇所もあったりして、しばらくの間は気が抜けません。
いくつかの岩場を抜けて、その先に穏やかな道が現れた時はホッとしました。

柳木ヶ峰の小ピークに到着しました。ここからは様々なコースを選ぶことができますが、大半は割と早いうちに車道に下りてしまうコースになります。でも今回の私の場合、登りが車道や林道を歩く区間の多いコースだったので、下りではなるべく長く山道を歩こうと、浅間山を越えて子持神社まで縦走する最長コースを選択しました。
ということで、まずは大タルミへ向けて下っていきます。すると何やら注意喚起が。
やけに脅かすじゃないか。でもこの脅し、あながち誇張という訳でもなく、実際に相当の急坂が続くのでした。
詳細ページ のグラフを参照して頂くと、この区間の傾斜のえげつなさが良くお分かり頂けるかと思います)
そもそもが急降下なのに、この時期は地面が落ち葉に覆われてさらに滑りやすく、何度か足を取られそうになって、滅多に使わないストックを出そうかと迷ったほどです。最後のほうには、ロープに頼る箇所もありました。

1ヶ月ぶりの山行で鈍っていた足にこの急降下は厳しかったらしく、最後は腿が攣りそうになりましたが、ようやく傾斜が緩んで、普通に歩けるようになると、間もなく大タルミに到着しました。ここからも車道へ下る道が分岐しますが、もちろんそれは見送って、尾根道の続きへと進みます。
山の南斜面に入ったことで、中には最終盤の紅葉が少しだけ残っている場所も。
牛十二には、ちょっとユーモラスな表情にも見える石祠がありました。
次のピーク、浅間山へは100m近い登り返しになります。

浅間山の頂上は子持山以上に狭くて、腰掛けられる物もなく、あまり長居に向いている場所ではなさそうです。
ところで大タルミ以降、全く人を見なくなっていたので、あとはもう子持神社まで誰にも会わないのかなと思っていたら、なんとここには先客の男性の姿がありました。少し会話させて頂いたら、静かで人の少ない山を好むなど私と似たような嗜好をお持ちの方で、このあと次の分岐点までお話ししながらご一緒することに。
浅間山は、私が持っている2006年版(古すぎ!)の登山地図では「展望良好」となっていますが、実際は樹木にほぼ全周を囲まれていて、辛うじて南西側に榛名山を眺めることができる程度でした。

さて、ここから先の登山道には、ひとつ気になっていたことがありました。浅間山から子持神社まで、さほど距離も標高差もないにもかかわらず、登山地図では標準コースタイムが2時間半となっていたのです。
特に登山道に問題がなければ、1時間程度で下れそうな感じなので(カシミール3Dもこの区間の推定時間を約1時間5分と算出していました)、これは余程時間がかかる要因がありそうだと、その点を心配していました。

浅間山の頂上でお会いした男性と、さらに南へ進みます。浅間山から先になると、それまで見なかった赤い色彩も少し楽しめるようになりました。
登山地図のコースタイム(25分)の半分も経たずに分岐点に出て、ここから車道へ下る男性とはお別れになりました。同行させて頂いたのはほんの10分程でしたが、またどこかで。(以降はもう誰にも会わなくなりました)
分岐点を過ぎると、登山地図に「歩く人少ない」と注記されている通り、途端に道が細くなります。時には道の続きが不確かになり、テープ等の目印を探して歩く局面も。急な斜面を構わずに下るような箇所では、その強引な道筋ゆえ正しいコース上にいる確信が持てず、次の目印を見るまで不安なまま歩くようなこともありました。

分岐点のすぐ先で、「炭釜」という標識のほか、いくつもの石祠のある小ピークを通過します。
尾根をずっと歩き続けている割に、景色の良い場所は少なかったのですが、1箇所だけ左側が開けて、子持山を振り返ることができました。右端の岩塔が、今回は行けませんでしたが子持山の代名詞のひとつ、獅子岩です。
標高が下がってきたことで、時には紅葉を楽しめる場所もありましたが‥‥。
間もなく緑の森に変わってしまって、紅葉が楽しめた区間は短かったです。
しばらく進んで、「仏岩」の標識を通過。でも先程の炭釜と同様、地名の由来等を説明するものはありません。
この標識も、写真上半分の岩が「仏岩」だと示しているのか、偶然そこに落ちていただけなのか、不明でした。
仏岩のすぐ先で、今度は「二本木」の標識を通過します。近くにそれらしい松が2本立っていたように見えなくもない地点でしたが(そのうち1本はここに写っているもの)、それが地名の由来かどうかは分かりません。
さらに下り続けて、こちらは794m三角点。登山道からは少し離れていたものの、割と良く目立っていました。
三角点のすぐ先では、行く手を岩壁に遮られました。迂回路はなさそうなので、階段状の岩壁を登ります。
岩壁を登った上に「ソゲ石」の標識が。ここも詳細は不明ですが、登ったのが「ソゲ石」だったのでしょう。

終始明るい尾根道が続いて、ある程度下ってからは道が不明瞭な箇所もなく、すこぶる順調に下ってきました。
上の写真のところで、標識に従って右折すると、ついに尾根を外して、斜面をジグザグに下るようになります。周囲の森も植林が主体となり、東向きの斜面に入ったことも合わさって、少し薄暗くなりました。
ほどなく林道に出たら、子持神社まであと数分。ここで一旦は無事に下山できた気になりかけたのですが‥‥。
林道を少し左に歩くと、登山道の続きがすぐに見つかります。
その後はさらに鬱蒼とした森に入って、たたでさえ細い道がなおさら見にくくなりました。ジグザグを描く道の所在は、テープ等の目印を頼りに探すことになりますが、この暗さでは肝心のテープも目立たず、目を凝らさないと見つからないことも。まだ日が高い午後1時台にしてこの状況でしたから、下山が遅れるなどしてもっと日が傾いてしまったら、ここは満足に歩けなかったかもしれません。

最後の最後で、ちょっとした困難に直面したものの、それでも迷わずに歩き通せて、子持神社に到着しました。
浅間山から、1時間キッカリで下ってきたことになります。道は途中で若干不明瞭になった程度で、それ以外に歩きにくい箇所もなく、登山地図がコースタイムを2時間半とするほどの理由は、結局分からないままでした。
無事下山できた報告を兼ねて、子持神社に参拝していきます。山の中にありながら、手入れが行き届いて綺麗に調えられた境内に、重厚な拝殿や立派な神楽殿などが配置され、荘厳で神秘的な雰囲気すら感じる場所でした。
子持神社が登山道のゴールとはいえ、ここはまだ山の中。近くに車を停めている訳でもない私の場合は、さらに交通機関がある所まで歩かなければなりません。登山地図の謎のコースタイムに惑わされて、ここに着くまでは先の見通しを立てられませんでしたが、この先は車道歩きだけなので、以降の時間はしっかりと計算できます。
場合によっては敷島駅まで歩く計画を立てていましたが、順調に下山できたおかげで、少し手前にある伊熊バス停でちょうどバスを捕まえられそうなタイミングと分かり、目標を伊熊バス停に変更して行動を再開しました。

子持神社の境内から石段を下って、鮮やかな朱塗りの鳥居をくぐります。
さらに続く石段を下って、車道からの入口へ。(以上の2枚はいずれも振り返って撮影しています)
石段を下り終えて、車道の分岐点に出たら、道標が「空恵寺」と示している左の道に入ります。
ここからは「関東ふれあいの道」なので、伊熊バス停まで道標完備でした(なのに、歩いている人には全く会わなかったけれど)。また、最初こそ下りですが、途中には結構な登り返しもあって、疲れてきた足に堪えます。
空恵寺に着くと、訪れる人もあまりいない様子の境内は、ひっそりと静まり返っていました。
空恵寺の山門はなかなか荘厳な造りで、群馬県指定の重要文化財になっていました。
空恵寺も先ほどの子持神社と同じく、奥にある境内に先に入ってしまい、そのあとで参道の石段を下って入口から出るという、なんともちぐはぐな寺社巡りになってしまいました。

空恵寺を後にして10分ほど歩くと、眼下にようやく市街地が見えてきました。
その後も順調で、伊熊バス停に着いたのは、間もなく渋川駅行きのバスが来るという、予定通りのタイミング。
しかし、バスが走る国道17号線の状況が予想外でした。元々の3連休に加えて、関越道の事故渋滞の影響も出ていたようで、この通り上下線とも車が詰まっていてノロノロ運転。
実はここからバスに乗っても、渋川駅で約10分というタイトな乗り継ぎができなかった場合、その次の電車はここから敷島駅まで歩いて乗れる電車と一緒になるのですが、この様子では10分なんて平気で遅れてきそうです。
であれば、何もないただの道路脇のスペースで、いつ来るか分からないバスを待ち続けるより、駅で落ち着いて待つ方が得策と、そのまま敷島駅まで歩いてしまうことにしました。

ということで、敷島橋で利根川を渡って、上越線の線路がある対岸に向かいます。
敷島橋の上から山を振り返ってみましたが、そこからだと前山に隠されて、子持山は見えていないようでした。
敷島駅に着きました。次の電車が来るまで、小1時間あります。
駅前の一帯に、商店らしい商店がほとんど見られず寂れた雰囲気すら漂う中、駅の真ん前にあるこの和菓子店(荒井商店)だけは妙に活気が感じられたので、小腹も減っていたことですし、入ってみました。
購入したのは、「赤城田舎饅頭」「どら焼き」「長生き最中」の3品です(最中だけは自宅への土産用)。赤城田舎饅頭はモチモチした皮が美味で、甘さ控え目な餡との相性も抜群、いくつでも食べられるおいしさ。どら焼きは、新鮮卵・小麦粉・砂糖だけを原料とする昔ながらの製法で焼き上げたとあり、皮も餡も絶品の格別な味わいが感動的ですらありました。ローカル線の無人駅の駅前でひっそりと営業しているのが謎なくらい、ハイレベルな和菓子店だと感じています。この店はきっとタダ者ではないでしょう。
(気になってネット上の情報も検索してみたら、やはり知る人ぞ知る銘店、といった評判を得ているようでした)
充実した山歩きの後で、美味しいお菓子にお腹も満たされて、最後は榛名山の上に沈んでいく綺麗な夕陽を見ながら、幸福な気分で電車を待ちます。排気ガスにまみれた国道脇なんかで、バスを待たなくて本当に良かった!

タグ:上信越
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鼻曲山・天丸山 [上信越]

2016/11/05(土)

■第337回 : 鼻曲山(1655m)・天丸山(1343m)


やってしまいました、道間違い。しかも今回は、後戻りする気が起こらないような地点まで下ったあたりで、ようやく気付くという体たらく。そんな日に限って、雲ひとつない快晴で絶好の展望日和だったのでした‥‥。

この日の当初の予定は、鼻曲山 → 氷妻山 → 浅間隠山という3山縦走ルートです。
しかし、鼻曲山から氷妻山に向けて歩き始めた直後に、あったはずの分岐を完全に見落としてしまいます。気付いた時には、全然違う方向に相当な距離を歩いていた上に、かなり高度も落としていました。元のルートに戻るには、鼻曲山の頂上まで登り返すしかありませんが、その後でさらに縦走を続けるのは体力的に厳しそうです。

とはいえ、この日は鼻曲山の登り下りだけで行動を終えては勿体ないほどの好天。たまたま下った先に遊歩道があったので、それからは気持ちをハイキングに切り替えて、最後に天丸山からのパノラマを楽しんできました。

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:28-07:34 軽井沢
軽井沢 08:00-08:18 長日向

(登山行程)
長日向バス停  08:20
鼻曲峠分岐   09:10-09:15
鼻曲山     09:35-09:50
スカイパーク  10:25-10:30 (展望台)
国境平     10:55
天丸山     11:50-12:05
浅間牧場バス停 12:35

(復路)
浅間牧場 12:52-13:26 軽井沢 13:55-14:46 大宮
大宮 15:27-16:29 横浜 16:35-17:18 古淵


大きなマップで見る

朝一番の新幹線で軽井沢へ。最低気温の予想が氷点下だったので、完全な冬装備で来ましたが、到着した時点でもう厳しい冷え込みはなく、力強い日差しには温もりすら感じられました。でもさすがに吐く息は白かったです。
バスのりばで、8時発のバスを待ちます。少し分かりにくい写真になりましたが、右のほうに写っているのは2013年に登った離山で、その右肩にちらっと顔を出していた浅間山は、頂上部にうっすらと冠雪が見られました。

長日向バス停から歩き始めます。
はじめは別荘地内の車道を進みます。
やがて沿道に建物を見なくなると、間もなく林道と交差します。直進方向を道標が案内していました。
その後も当分の間は林道が続きます。車の轍が見られるので、今でも林業の作業道として使われているのかも。
車道だけに緩やかな傾斜が続いて、楽に歩くことができます。それでも登りは登り、だんだん身体が暖まってきたので、このあたりでジャケットを脱いでフリース姿になりました。
カラマツの黄葉は落葉が進んでいたものの、その名残は楽しむことができました。退屈に感じることの多い林道歩きですが、ここでは道幅が広めの登山道と思えなくもないですし、景色はそこそこ綺麗ですし、緩やかな坂道を楽に登れていますし、カラマツの落ち葉でフカフカの地面が足にも優しくて、こういう林道なら悪くないです。
結局、別の林道と交差するこの地点まで、ほとんど道幅は変わりませんでした。

十字路を直進した先も、カラマツの植林が続いている間は道幅が広かったのですが‥‥。
景色が変わって雑木林の中を進むようになると、次第に山道っぽい細い道になって、傾斜も強まってきました。
気温がグングン上がっているようで、次第に小春日和どころかポカポカ陽気になってきます。風がほとんどないくらい穏やかに晴れていることもあって、登り続けているとフリースを着たままでは汗をかかされるほどでした。
歩き始めて小1時間ほどのこの地点で小休止。以前はここが鼻曲峠への道を分ける分岐点になっていましたが、その道はかなり前から通行止めになっています。かなり暑くなってきたので、ここでフリースを脱いだのですが、意外にもこの日はもう頂上でも寒く感じることがなくて、以降はほぼずっと山シャツ姿のままで過ごせました。

かつての分岐点を過ぎると、急に傾斜がきつくなりました。斜面がやや荒れているため、足場も良くありませんし、段差の大きな箇所も多くて、この区間はかなり苦しく感じています。
急登が収まると、道はササの中に入っていきます。このあたりまで来ると、視線の先に時々頂上部を捉えられるようになったのですが、うまく写真に撮れるような地点はありませんでした。

最後に、足を取られやすいザレ場の急登を、補助ロープに助けられて登っていくと、鼻曲山の頂上に出ました。
鼻曲山は、大天狗・小天狗の2つのピークからなりますが、こちらは小天狗で、この通りほとんど何もありません。一般的には大天狗が頂上とされていて、頂上標識もそちらに立っているようなのですが、国土地理院のデータでは小天狗のほうが標高が高く、実際に現地でもそう見えていたので、この記録ではここを頂上としています。
西側にドーンと浅間山、というのを期待していたら、一応見えている、という程度にとどまっていました。この時期だからどうにか見えていたものの、樹木が葉を茂らせていたら、満足には見られなくなってしまいそう。
そして北側に見えていたのは、次に向かう予定だった浅間隠山。こちらも落葉期でなければ、頂上だけの眺めになりそうです。さらに右奥のほうに目を向けると、稜線が雪化粧した谷川連峰を望むことができました。
鼻曲山からの展望は、なんといっても開けていた南側でした。雲が全くないばかりか、空気もかなり澄んでいたようで、富士山や木曽駒ヶ岳といった遠くの山々まで見渡すことができています。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

さて鼻曲山からは、氷妻山経由で浅間隠山を目指す予定にしていて、その方向はてっきり1本道だとばかり思っていました。下は当日も持参していた登山地図ですが、北側には登山道が1本しか描かれていなかったからです。
ところが、実際は頂上直下に分岐があったことを、のちに知ることになります。帰宅途中の書店で、最新版の登山地図を確認すると、確かに私が持っている版にはない登山道が記載されていたのです(上の地図にマウスを乗せると、最新版の状況を表示します)。持っている地図は2008年版だったので、いい加減買い換えなければ。
分岐があるとも知らず、恐らく散漫な注意力で歩いていた私は、道標すら立っていたはずの分岐点を完全に見過ごして、国境平へ下る予定外のルートに進んでしまったのでした(ネットの情報によると、その分岐点では氷妻山への道がササに覆われがちで、国境平への道のほうが明瞭に見えるとされていて、それも影響したようです)。

鼻曲山を後にすると、間もなく登山道はササに埋もれるようになります。今になって考えると、この時すでに予定ルートから外れていたようなのですが、上の地図でも見られる通り、予定ルートに「ササ・カヤト帯(迷)」の注記があるのを見ていたため、現地ではそれが現れたと思っただけで、何も不自然には感じませんでした。
続いて現れたのは長い長い急降下。傾斜がきつい上に足場が悪く、ロープを頼らないと難儀するほどの状況が、これまた予定ルートの「急坂」という注記に符合していたので、予定通りに歩けているとばかり思っていました。
急降下を過ぎると、次第に傾斜が緩んで、平坦に近い区間も現れるようになり、これも地形図から読み取れる予定ルートの状況と全く同じなのです。おかしな点が少しでも出てきていれば、方位なりGPSなりを確認したと思うのですが、ここまでのところ、予定通りのルートを進めていることを疑う理由が何もなかったのでした。
ここから道は登りに変わって、目の前の小さなコブを越えていきます。するとその先に、氷妻山への大きな登り返しが現れるはずなのに、それが見えてこなかったことから、次第に違和感を覚えて不安になり始めていました。
!!!
突如として、大きく開けた場所に出ました。氷妻山への道の途中に、地図でこんな場所あったっけ? しかも前方の稜線は下る一方で、この先に現在地より高い所がもう見当たりません。何かを間違えているのは明白でした。
目指していたはずの浅間隠山はどこ?、と思って周囲を見渡すと、右後方を振り返るようにした時に、木立の間にそれらしい姿の山が見えていました。全然違う方向に来てしまっていることが分かって、愕然とした瞬間です。
慌ててGPSを確認して、北に伸びる稜線伝いに歩く予定だったのに対して、実際には北西の稜線に沿って進んで来ており、鼻曲山の頂上を出た直後にはもうルートを外していたらしいことを知ります。
現在地は、軽井沢スカイパーク(冬季はスノーパーク)のリフト頂上駅付近にある展望台でした。2つ前の写真に写っている展望図にも「SKY PARK / SNOW PARK」と書かれていて、間違いありません(7枚上の地図画像にマウスを乗せた時に現れる「■展望台」の位置に当たります)。

幸いこの場所には休憩舎があったので、腰を下ろし落ち着いて今後の作戦を考えることができました。
できれば予定通りに浅間隠山へ向かいたいところですが、冒頭にも書いた通り、全然違う方向に相当な距離を進んだ上に、かなり高度も落としています。鼻曲山に登り返してさらに縦走を再開するのは厳しいと判断しました。
とはいえ、この晴天でこのまま行動を終えるなんてあまりに勿体なさすぎます。地図を見ていて、バス道路に向かう方向に、白糸ノ滝と浅間牧場を結ぶ遊歩道があることが分かったので、そこを歩いてみることにしました。
それにしても、バス路線がある西側への道間違いだったのは不幸中の幸いだったと思います。もし反対側の東側へ下ってしまっていたら、帰ってくるためには鼻曲山に登り返すしかなかったことでしょう。

腹が決まったら、せっかく来たのですから、このスカイパークからの展望も楽しんでおきましょう。鼻曲山では樹木に邪魔をされてスッキリとは見られなかった北側が大きく開けていて、なかなか爽快な眺めでした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
展望を楽しんだら、スノーパークのゲレンデに向かいます。澄み渡った青空の下、浅間山の堂々たる姿を正面に見ながら、見頃が過ぎたとはいえまだまだ見事な秋色の中を下るのは、決して悪くない気分だったのですが‥‥。
前の写真でも右端に写っていますが、浅間山の裾野の先に、北アルプスの峰々がクッキリと見えているのが壮観で、でもそれが逆に空しくも感じられました。よりによって、なぜこんな絶好の日に道迷いをしてしまったのだろう。浅間隠山に登れば、頂上では360度の大展望が待っていたはずなので、できればそれを楽しみたかったです。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
実は左手の稜線にちゃんとした登山道が存在していたことを、あとで最新版の登山地図を見て知ることになるのですが、この時はそうとは知らず、ゲレンデが歩きやすそうなのをこれ幸いと下っていました。でも樹林の中の登山道を歩くよりは、こちらのほうが景色を楽しめたと思うので、これはこれで良かったのかもしれません。

スキーゲレンデを下りきったら、軽井沢スカイパークの前の車道に出て、しばらくはこの車道を歩きます。
何も標識はなかったけれど、地図によればこのあたりが国境平でした。昔は近くに草軽電鉄の駅があったとか。
周辺に点在するゴルフ場などのリゾート施設にだけ通じているような道路なので、車の往来が少なくてのんびり歩くことができますし、カラマツの黄葉もなかなか綺麗です。
そう、景色は確かにいいんですよ。でも、こんなにいい天気なのに、なんでこんな低いところを歩いているのだろうかという思いもあって、少々複雑な心境でした。
車道を歩いている間は、ずっとこんな景色でした。道の右側に沿って続いている緑色は、ゴルフ場の芝生です。

景色にほとんど変化がなくて、少し長く感じた車道歩きも、ようやく遊歩道と交差する地点に着きました。
ここから遊歩道を北上して、天丸山を経て浅間牧場まで、ほとんど平坦な4kmほどの道のりを歩きます。ちなみに反対に南下すると、2013年に小瀬から白糸ノ滝を経て峰ノ茶屋まで歩いた信濃路自然歩道に出られます。
はじめは右手のゴルフ場と左手の牧場に挟まれた窮屈な道で、風に乗ってウ○チ臭が漂ってきたりしました。
しばらくすると、牧場の端を歩くようになりました。
どんどん景色が開けてきます。
正面に浅間隠山が見えてきました。この青空ですから、もし登っていれば素晴らしい展望が楽しめたのにと悔やまれます。浅間隠山には再度チャレンジする予定ですが、これほどの好天にはそうそう当たらないだろうなぁ。
そして振り返れば、牧場越しに浅間山。左側の裾野の手前には、2013年に登った小浅間山を従えています。
右手側の樹木が途切れた場所からは、鼻曲山から浅間隠山にかけての稜線を見渡せました。実はこのあと登った天丸山からでは、この方向に少し木立があってスッキリとは眺められなかったので、ここでパノラマを撮っておいたのが正解だったのです。もし予定通りに歩けていれば、今頃は二度上峠から浅間隠山を目指していたでしょうか。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

天丸山が間近に迫りました。ま、山というよりも丘ですかね。以前から気にはなっていたのですが、単独で目的地にするほどの場所でもなく、なかなか来られなかったので、今回の道間違いが良い機会にはなりました。
ここから天丸山への登山を開始します。ってことはここを登山口と言えなくもないのかな。登山道は全長にわたり木段が整備されていて歩きにくい箇所はなく、頂上までの標準コースタイムは1分ってとこでしょうか(笑)。
あっという間に登頂を果たしてしまいます。後方に見えているのは浅間隠山。
実態が小さな丘に過ぎないので頂上も広くはありませんが、標柱・三角点と2つのベンチのほか、展望図まで設置されていて、山頂として一丁前の風情を醸し出しています。そしてここからの展望が、またそれに見合う見事なものでした。その展望の見事さが、ここを「山」と呼ばしめているような気がします。
その展望の主役は、なんといっても浅間山でした。
南東側を見ると、最初に登った鼻曲山が結構遠くに見えて、かなりの距離を歩いて来たことが実感できる眺めです。頂上から左に延びる稜線に向かうはずが、間違って手前に歩いてきてしまい、中腹にあったスカイパークの展望台からは、ここからも良く目立って見えているスキーゲレンデの中を下ってきたのでした。
このほか、北西側も大きく開けていて、群馬・長野県境の山々が良く見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

展望を楽しんだら、天丸山を後にして浅間牧場に向かいます。遊歩道の続きとはいえ、天丸山から先はずっと舗装道路に沿うようになり、遊歩道までもが舗装されていたので、なんとなく消化試合感が否めなくなりました。
ちょっと写りの悪い写真になってしまいましたが、途中には飼育舎があって、間近に牛の姿を見ることができました(それまでは、広々とした牧場で放牧されている牛を、遠くから見るだけだったのです)。
しばらく歩くと、ポルシェやフェラーリといった高級車を含むレーシングカーが何台も並んでいる一角に出ました。この日は浅間牧場などを会場とした「浅間モーターフェスティバル2016」が開催され、レースやパレードなどが行われていた模様で、ここが待機場所になっていたようです。
最後に牧場エリアを離れて坂道を下って行くと、前方に茶店や売店などの建物が見えてきて、もうゴールは間近です。時計を見るとまだ12時台、道間違いをしたおかげで、かなり早く帰れることにはなりました。
ここにも高級車がズラリと並び、その周囲も関係者やギャラリーで賑わっていました(だから、イベントのない時にはもう少し落ち着いた雰囲気の場所なのかもしれませんね)。
この茶店で食事ができるようなので、時間があれば寄りたいところですが、まずはバス停を探さなければ。
バス停も2008年版の登山地図が示す場所になくて、少し焦りましたが、少しウロウロしていたら、国道に出たところで見つかりました。こんな早い時間のダイヤは未確認でしたから、気になっていた時刻表を真っ先に見ると、なんと約10分後にすぐ来る便があって、何も分からずに歩いていたにしては上出来です。その便を逃すと、次を1時間以上待つことになるので、食事は後回しにして、まずは軽井沢駅に向かってしまうことにしました。

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日光白根山 [上信越]

2016/10/15(土)

■第335回 : 日光白根山(2577m)・前白根山(2373m)・五色山(2379m)


この日の行先は群馬・栃木県境にある奥日光の日光白根山。日本百名山にして、標高が2500mを超える関東以北最高峰も、ロープウェイを利用することで、600mほどの登りで難なく頂上に立つことができるのです。
しかし、そこまでお気軽だとかえって物足りないので、火口湖の周囲を取り囲むように聳える計3つのピークを巡る形で、周回コースを組んで歩いてきました。

ロープウェイの山頂駅から望む日光白根山は、かつて激しい水蒸気爆発を繰り返したことを彷彿とさせる、荒々しい山肌がむき出しの豪快な山容をしています。現在も、気象庁によって活火山に指定されてはいますが、ただし明治23年を最後に噴火活動は観測されていないので、まずは安心して登れる山と言って良いでしょう。

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:36-07:53 上毛高原
上毛高原 08:10-09:34 鎌田 09:40-10:05 丸沼高原スキー場
ロープウェイ山麓駅 10:25-10:35 ロープウェイ山頂駅

(登山行程)
ロープウェイ山頂駅 10:40
七色平(分岐点)   11:10
日光白根山     12:25-12:30
五色沼避難小屋   13:05-13:15
前白根山      13:40-13:45
五色山       14:05-14:15
弥陀ヶ池      14:40-14:45
七色平(分岐点)   15:15
ロープウェイ山頂駅 15:35

(復路)
ロープウェイ山頂駅 16:05-16:15 ロープウェイ山麓駅
丸沼高原 17:05-17:30 鎌田 17:40-18:37 沼田
沼田 18:52-19:37 高崎 19:46-21:24 赤羽
赤羽 21:26-21:40 新宿 21:51-22:29 相模大野
相模大野 23:00-23:15 大野小学校入口


大きなマップで見る

上越新幹線を上毛高原駅で降りて、駅前でバスを待ちます。尾瀬方面行きの乗り場はこの通り平和でしたが、奥にある谷川岳行きはバスが2台出ても乗り切れず、バス1台分くらいの人数が積み残されていました。このあと乗ったバスで無線を聞いていると、これから手配するような様子でしたが、ちゃんとバスは来たのでしょうか。
私は写真中央手前の緑色系のザックの位置に並んでいて、大清水行きのバスはほぼ座席定員ちょうどの乗客数。そのまま尾瀬方面に向かった人と、私と同様に鎌田で丸沼高原行きに乗り換えた人とが半々ずつくらいでした。

丸沼高原に着いたのは10時過ぎ。最寄駅の始発を捕まえて、朝1番の新幹線に乗ったのに、バスを2台乗り継いでいる間にこんな時間になってしまうのですから、やっぱり奥日光は神奈川からだと遠いですね。
センターハウスで往復のチケットを購入して、ロープウェイの乗り場へ向かうと、ほぼ快晴の青空の下をゴンドラが次々と発着しているのが見えてきました。これならすぐに乗れそうだと、この時は思ったのでしたが‥‥。
しかし駅前にはかなりの列ができていて、ここで15分くらい待たされました。たかが15分で、待ち時間としては許容範囲ではあるのですが、この15分が元となり、のちに良からぬ影響を2つも招いてしまうことになります。
そうとも知らず、この時点では予報通りの天気の良さに上機嫌でゴンドラに乗り込みます。乗車時間は10分ほどで、しばらくすると、前方に日光白根山の頂上部が見えてきました。
山頂駅が近付くとともに、どんどん日光白根山の姿が大きくなってきます。

ロープウェイを降りて、山頂駅(右奥の建物)から出てきました。ここを起点にして1~2時間で歩ける散策コースや、無料の足湯(左奥の高台の上)があったりするので、周囲を見渡すと観光客のほうが多いくらいです。
このところ急に気温が下がっていたので、この日は防寒対策を万全にしていたのに、意外なことに標高2000mまで上がっても寒さはなく、力強い日差しを浴びていると暖かさすら感じられる、まさにハイキング日和でした。
前方にはドドーンと日光白根山。その凛々しい姿に、いやが上にも気分が盛り上がります。そして振り返れば、谷川連峰や尾瀬方面の山々がズラリと連なっていることを、ロープウェイの車窓から見ていたのですが、頂上でもっと素晴らしいパノラマが待っているからと写真を撮らなかったことを、後で後悔する羽目になるのでした。

歩き始めのうちは、観光客向けの散策路と重なっていることもあって、いたって穏やかな道です。
次第に登り坂が増えてきますが、まだまだ散策路なので、歩きやすい道が続きます。
分岐点ごとに案内図とともに分かりやすい道標があるなど、散策路はとても良く整備されていました。
散策路エリアの最後の分岐を過ぎると、本格的な登山道に変わって、山腹を徐々に登っていくようになります。
ところどころに急坂が現れますが、急坂が長く続くことはなくて、割と登りやすい道です。でもその間は、似たような景色ばかりが繰り返されて(だから写真もこの1枚だけ)、変わり映えのしない道がしばらく続きました。

しかし長かった樹林帯を抜けたその途端、開放的な斜面が広がるようになって、一気に爽快感がアップします。
そしてその後は景色が次々と変化して、目を楽しませてくれました。ただ、ここなどは写真で見ると気持ち良さそうな道ですが、実際は砂礫のザレた地面にたびたび足を取られて、1歩1歩が少々苦しかった区間です。
頂上に近付くにつれて、次第に大きな岩が増えてきて、登山道もその中に入っていきます。
日光白根山の頂上は、下から見上げた写真でも良く分かる通り、3つのピークが隣接していて、最高点は中央のピークです。登山道がまず南側のピークに登り詰めると、小さなギャップを挟んだ先にその最高点ピークが見えてくるとともに、さすが百名山だけあって、頂上一帯がかなり賑わっている様子も目に入ってきました。
一旦小さく下ったら、あとは最高点ピークへの登りを残すのみ。最後は大岩の間を縫うように登っていきます。
すると、頂上を目前にして渋滞に巻き込まれました。頂上での撮影待ちの列らしく、しかも人を待たせていながら時間を掛けても平気な人が多いのか、なかなか列が前に進まないので、ほとんど停滞に近いような状況です。
しかし私は頂上での記念撮影などに一切興味がないので、律儀に順番を待つ意味がありません。登山道を外れても登れるルートが見つけられそうだったので(上の写真もそのルートから撮ったもの)、途中で列を離れて適当に頂上を目指すと、案の定、頂上では撮影会が延々と繰り返されていました(全くこれだから百名山は‥‥)。
せっかく来たので、一応三角点も撮っておきました。
行列にも閉口しましたが、重ねて残念だったのが、つい先程まで良く晴れていたのに、少し前から雲が出始めて、方角によっては完全に曇ってしまったこと。ロープウェイ待ちの15分が、こんな形で響いてしまったのでした。
西側はまだ、ロープウェイの車窓から眺めた時と比べると大いに霞みながらも、谷川連峰や尾瀬方面がなんとか見えていたのですが‥‥。 (下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します)
東側はすっかり雲に満たされていて、日光方面の展望はほほ皆無。眼下の五色沼と、それを囲む稜線(そこをこれから歩きに行きます)という、ごく近い範囲を見るのがやっとでした。
さて日光白根山の頂上は、3つのピークを合わせるとそれなりの広さがありますが、どこもかしこも登山者で賑わっています。落ち着いて寛げそうな場所が見つからず、展望も今ひとつですし、ロープウェイ待ちの分だけ、スケジュールもわずかに遅れ気味となっていたので、頂上では小休止にとどめて先へ向かうことにしました。

ということで、広い頂上部を前白根山に向けて歩き始めると、これから歩く稜線がさらに良く見えてきました。
はるか下に見下ろす五色沼を囲む稜線を、反時計回りに周回する計画で、これから目指す前白根山が写真右奥で地面が白っぽく見えているピーク、そこから稜線を左に伝って、雲にかかりそうにして尖って見えるピークがその次に向かう五色山です。そしてこの時点では、そのあとさらに五色沼の畔にも立つ予定でいました。
さらに右を向くと、奥白根山へ続く稜線の先に、中禅寺湖がうっすらと見えていましたが、写真を縮小したら分かりにくくなってしまいました(写真の中央少し左寄りで、稜線のすぐ上に写っています)。
3方向からの登山道が合流する日光白根山の頂上はもちろん、ロープウェイ駅からの登山道にも人は結構いたのですが、前白根山への道に入った途端に人が激減して静かになりました。百名山では良く見る光景ですが、きっと多くの人たちは日光白根山に登りさえすれば満足で、その周囲の山になんて興味を持っていないんでしょうね。
やがて奥白根山への道は急斜面に入って、五色沼とほぼ同じ高度まで一気に下ります。大小の岩がゴロゴロ転がる上、ザレて足を取られやすい地面での急降下が続くので、ここは得手不得手が大きく分かれるところでしょう。
この日は、先週ソールが剥離してしまったファイブテンのシューズ「キャンプフォー」を早速買い換えて臨んでいて、ステルスソールがしっかり岩を捉えてくれるので、足元に何の不安もなく軽快に下ることができました。
長かった急坂をようやく下り切って、ほぼ平坦な道に変わると、前方に五色沼避難小屋が見えてきました。
五色沼避難小屋の前で、この日初めて腰を下ろしての休憩を入れました。ここは分岐点になっているので、これまで歩いてきたペースを計画と比べて、このあとどのコースを歩くかの最終判断をしようと思っていたからです。
もし予定より大幅に遅れていれば、稜線歩きをやめて五色沼直行プランに変更するところでしたが、時間を確認すると、相変わらずロープウェイ待ちの15分だけ遅れているという状況。これなら、あとで微調整を入れる必要はあるかもしれませんが、大きな計画変更はしなくても良さそうなので、予定通り稜線に向かうことにしました。

ここから、前白根山と五色山をプチ縦走する形になりますが、高低差の大きな登り下りがない、気持ち良く歩ける稜線が待っているはずです。五色沼避難小屋からの登り返しも、わずか10分ほどでその稜線に上がりました。
とても見晴らしの良い稜線で、これから歩く前白根山までの道がすべて見渡せました。
稜線の反対側は、少し前までよりも雲が少なくなっていて、中禅寺湖の湖面がしっかり見えてきていました。
この日2つ目のピーク、前白根山の山頂に到着です。頂上直下がザレて歩きにくい斜面になっていたので、わずか60mほどの標高差が、そろそろ疲労がたまってきている足には少しこたえました。
前白根山は平坦で広い山頂部を持っていますが、周囲で休んでいた人をすべて合わせても10人ほどという静けさです。標識の先に見えている日光白根山が、今もまだかなり賑わっている様子なのとは好対照でした。

次に向かう五色山までの道も全部見えていて、穏やかで気持ち良さそうな稜線を歩くのが今から楽しみです。もしもスッキリと晴れていれば、見た目にももっと爽快な景色だっただろうと、その点が少し惜しまれますが‥‥。
五色山へ向かう途中で、右手側の景色が開けると、湯元温泉あたりが見えてきました。そちらに下るコースも2つありますが、どちらもかなり厳しい下りなので、そこを歩くには相応の覚悟をして臨む必要がある模様です。
穏やかに見えた五色山への道は、五色山の手前で思っていた以上に下っていて、しかも登り返しが少し急だったので最後は少しこたえました。とはいえその登りも50mほどのことで、さほど時間はかからず五色山に到着です。
五色山は無人で静まり返っていました。まぁ、中途半端な地点にいるには、そろそろ遅い時間になりつつあるので(なにしろ歩き始めが10時40分なんて時間でしたから‥‥)、誰もいないのも当然だったかもしれません。
五色山からは、すぐ下に五色沼を見下ろせます。ただこの時間は太陽と同じ方向になっていて、水面が日光を反射してしまうので、せっかくの綺麗な色があまり良く分かりません(右上は日光白根山です)。
それでも、雲が時折光の加減を変えてくれると、神秘的なエメラルドグリーンの水面が現れたりもしました。

五色山からの下りは、ササ原の中を進みます。斜面が緩やかなうちは、なかなか雰囲気が良かったものの、次第に傾斜がついてくると、道が深く掘られたりしていて、必ずしも歩きやすくはありません。
下るにつれて五色沼が近付いてきます。当初の計画では沼の畔まで行って、その美しい水面を間近から愛でる予定でしたが、このあたりで見納めとすることになりました。
その訳は、計画からの15分の遅れが、ここまで来ても挽回できていなかったからです。そこで、五色沼への寄り道を取りやめて、この分岐点からロープウェイ駅へ直行する近道に入り、少し時間を浮かすことにしました。
 (計画にはある程度の余裕を見てあるので、少々遅れても実際には全く問題にならないのですが、かといってロープウェイの運行時間内(~16:30)に駅まで戻れないと大変な事態になるので、ここは万全を期しています)
弥陀ヶ池に到着。ここも、午後3時に近いという時間だからか、ほとんど人がいなくてひっそりとしています。
ここまで来れば、いい加減ロープウェイ駅までの所要時間が計算できるので、ゆっくり休んで行けるものと思っていました。しかし、距離や高低差などを元にした計算では相当の余裕があるはずなのに、現地の案内図が、その倍近い時間が掛かるとしているのを見て少し不安になります。静かな池畔の雰囲気をもっと噛みしめたいところでしたが、地図には現れない難所でもあるのかもしれないと、とりあえず先に進んでおくことにしました。

弥陀ヶ池の時点で、あらかた下ってきた気になっていたのですが、その先にも大きな下りが延々と続いていて、なかなか終わりが見えません。一体いつまで下るのかと、このあたりで少々ウンザリしてしまっています。
それでも、七色平の小さな湿原が見えてくれば、長い下りもようやく収束します。
小さな湿原の先には七色平避難小屋が建っていて、その脇を通過していくと間もなく・・・
見覚えのある地点に出ました。ほんの4時間ほど前に、日光白根山へ向けて歩いていた道に戻ったのです。あとはロープウェイの駅まで、遊歩道に近い道を引き返すだけなので、もう何の心配もいらないのでした。
結局ロープウェイの駅には、ほぼ自分で計算していた通りの時間で戻ってこられました。案内図に表示されているコースタイムに惑わされましたが、きっとそれは観光客向けにゆっくり歩く設定で書かれているのでしょう。

日光白根山を振り返ると、再び良く晴れてきているような。雲が多かったのは昼過ぎだけだったのでしょうか。
足湯がある高台に登ると、山裾が良く見えるようになって、少し違う印象の見え方になりました。
そしてこちらが、最初に来た時に写真を取り損なった、駅前からの西側の展望です。朝はまだ、武尊山の左後方に谷川連峰が見えていたのですが、この時間になるとすっかり霞んでしまっていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
時間はたっぷりあるので、最後はこの「天空の足湯」で少しゆっくりして行きます(たまたま人のいない一角を撮りましたが、実際には多くの登山者や観光客が展望を楽しみながら足湯に浸かっていました)。
ロープウェイで丸沼高原まで下りてきたら、最後はセンターハウス前でシャトルバス(無料)を待ちました。
 (写真左端に写っている、ベンチのある一角がシャトルバス乗り場です)
普通の路線バスは、14:20発などというあり得ない時間に最終が出てしまって、到底間に合わないので、ロープウェイ会社が運行してくれているらしいこのシャトルバスがなかったら、今回の計画は実現しませんでした。

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