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城ヶ崎自然研究路・大室山 [伊豆]

2018/03/31(土)

■第379回 : 城ヶ崎自然研究路・大室山(580m)


この日歩いてきたのは、海・山・花と盛り沢山の見所を詰め込んだ欲張りなコースです。
城ヶ崎海岸駅から歩き始めた途端、満開の桜並木にお出迎えを受けたのを皮切りに、海岸沿いの遊歩道では、変化に富んだ城ヶ崎海岸の景色を満喫、そして一番の楽しみだった伊豆高原桜並木がドンピシャの最盛期で、圧倒的な華やかさに魅了された後は、大室山の頂上でお鉢めぐりからの360度の展望を楽しんでいます。
(見事な満開がずっと続いていた伊豆高原桜並木)

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:34-05:54 本厚木
本厚木 05:56-06:33 小田原 06:45-07:08 熱海
熱海 07:22-07:49 伊東 07:50-08:08 城ヶ崎海岸

(登山行程)
城ヶ崎海岸駅     08:15
ピクニカルコース入口 08:40
門脇灯台       09:00-09:05
蓮着寺        09:30-09:40
対島の滝       11:10
八幡野漁港手前    11:30   (城ヶ崎自然研究路終端)
伊豆高原桜並木    12:15   (高原中央バス停付近)
シャボテン公園バス停 13:05
(大室山リフト乗車)  13:35-13:40
大室山お鉢めぐり   13:40-14:00
(大室山リフト乗車)  14:05-14:10

(復路)
シャボテン公園 14:11-14:50 伊東 15:21-15:44 熱海
熱海 15:49-16:11 小田原 16:27-17:19 相模大野
相模大野 17:28-17:43 市営斎場入口


大きなマップで見る

今回の下車駅は、伊豆急行線の城ヶ崎海岸駅。同じ電車から降りた乗客は十数人程度で、駅前は静かでした。
駅前からすぐに始まる桜並木は、事前に得ていた情報通り、ちょうど見頃を迎えているようでした。
すぐにバス道路を横断します。海岸沿いの遊歩道の入口には、バス道路を経由するほうが近いので、桜の時期でなかったら左折するところですが、さすがに満開の桜をスルーしては勿体なさ過ぎるので、もちろん直進です。
交差点を直進して別荘地内に入ると、桜並木はそこからが核心部でした。
満開の桜が見事です。2~3日前にはすでに満開を迎えていたらしく、散り始めのものがいくらか混ざっていたようで、風が吹けば桜吹雪がきれいに舞ったりして、すごく風情がありました。
この時間は、ほぼ太陽に向かって歩く具合になり、進行方向が逆光になってしまうので、写真は振り返って撮るほうが明るい仕上がりになりました(以降の写真も何枚かは振り返って撮っています)。
別荘地ということから、大々的には宣伝されていないらしく、ここを歩く人はまばらで(まだ早朝だったこともあるのかもしれません)、車もほとんど通らず、この景色をのんびりと愛でながら歩くことができました。
事前に見てきた案内図で、桜並木が別荘地の途中までとなっていたのに対して、実際には別荘地内はずっと桜並木が続いていたので、かなり長い間楽しめています。
ほぼ真っ直ぐだった道路は、別荘地の末端で右カーブに差し掛かります。このまま道なりに進んでも、目的の遊歩道には出られるのですが、その場合は遊歩道の途中から入る形になってしまうので、この先を左折します。
左折してしまう前に、歩いてきた桜並木を振り返りました。
その後はクネクネと、予め地図を見て決めておいた最短距離の道順で進み、二車線の道路に出たら左折します。

ピクニカルコースの入口には、目印となる石標が目立ちすぎるくらいの大きさで立っていました。
海岸沿いを進むコースなので、左手には海が見えていることが多くなり、潮風を感じながらのハイキングに。
ところによっては、海岸線の近くまで降りてくることもあります。
「ぼら納屋」の前を通過します。伝統的なぼら漁のための建物が、現在はそのまま食事処になっていました。
路面は概ね簡易的な舗装がされていて、歩きやすさは万人向けの遊歩道といった感じ。ただ、登ったり下ったりが思っていた以上にあり、階段の昇降が結構多かったので、体力面も考慮すると健脚者向けでしょうか。
変化に富んだ海岸線と、海の青さが美しかったです。

道の整備状況は良好で、途中には東屋もありました。
東屋の前では海側がいっぱいに開けていて、大海原が一望できました。写真の先に浮かんでいるのは大島です。
城ヶ崎海岸は、この日最後に登る大室山が約4000年前に噴火した際の溶岩流が、その後の風波の浸食を受けて、断崖絶壁や深い入り江など千変万化な海岸線を形作ったものだとか。そのため、見ていて飽きない風景が続きますが、地形が複雑なゆえに高度を一定に保って歩くのが難しくて、アップダウンが多くなっているのでしょう。
行く手に小さな吊り橋が現れると、その先に門脇灯台が見えてきました。

高さ約25mの門脇灯台は、地上17mの展望台まで登ることができます。さらに、近くを車道が通っていて駐車場もあり、遊歩道を歩かなくても手軽に来られるからか、灯台の周辺だけは人が多かったです。
展望台まで上がってみましょう。灯台内部には階段が2系統作られていて、登り下りが分離されていました。
門脇灯台の展望台からの眺めです(窓からの眺めにつき、ワイヤー入りのガラス越しとなりました)。こちらは歩いてきた方向で、コースは写真左端の植生があるあたりを通っていました。
こちらはこれから進む方向で、この海岸沿いをさらに6km以上歩く予定です。
そして山側を向くと、最後に向かう大室山が見えていました(写真中央の薄緑色をした富士山型の山です)。
門脇灯台から先も、海岸線近くに下りたかと思えば‥‥。
すぐに登り返したりというのが何度か繰り返されます。この区間は、遊歩道を軽く歩くくらいのお気楽な心構えでいたのに、すでに足には思いのほか疲労感が生じていました。

ピクニカルコースが終わると、「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」の前に出ました。
その先、城ヶ崎自然研究路の入口までは、少し車道を歩くことになりました。
ほどなく伊豆海洋公園の前を通ります。ここのダイビングセンターはダイバーに人気らしく、まだ朝早いのに園内にはダイビングスーツ姿の人がたくさん。そういえば伊豆急線の車内にも、それっぽい乗客が結構いたなぁ。
車道歩きは蓮着寺の手前まででした。

蓮着寺の境内に入ります。日蓮ゆかりの寺ですが、自身による建立ではなく、開山は日蓮の死後約200年です。
広い境内には、私のほかに誰もいません。閑かさの中で石段を上がり、本堂でお参りしていきました。
本堂前にあった日蓮上人像です。鎌倉幕府から流罪とされた日蓮は、しばらくこの地方に謫居していたらしい。

城ヶ崎自然研究路は、蓮着寺の境内から始まっていました。この標識に従ってコースに入ります。
すぐに蓮着寺の奥の院の前に出ます(なぜか奥の院の写真は撮り忘れ)。洋上に浮かんでいるのは伊豆大島。
奥の院を過ぎると、ようやく土の道に変わりました。ここから先は、普段の山歩きに近い感覚で歩けています。
以降は海岸から離れて歩くことも多くなりますが、時折こうして、海を見渡せる地点への道が分岐します。
上の写真の分岐道の先にあった「灯明台」という場所から見た景色です。縮小写真では識別できなくなりましたが、奥に写っている門脇岬には先程訪れた門脇灯台が見えていたので、それがこの地名の由来だと思われます。

海岸線が入り組んでいるだけに、見られる景色もバラエティに富んでいて、変わった名前の付いた地点を次々と通過します。そんな中、解説板による説明付きの「にちょう」という地点に来ました。
そこには、海岸に達した溶岩流が冷えて固まる過程でできた、大きな亀裂がありました。
「にちょう」の亀裂は、かなりの高さがある陸地内にまで深く切れ込んでいて、そこをほぼ真上から覗き込んだところです。落ちたらまず助かりそうもない高さがあるので、ちょっと足がすくみました。
ここは「いがいが根」と名付けられていて、名前の通り、イガイガした棘のような岩が折り重なっていました。
その後は平坦に近い道がしばらく続き、快調に歩を進めることができた一方で、視界が遮られることが多くなってしまいます。それでも海岸に打ち寄せる荒波の音はずっと聞こえていて、間近に海を感じながら歩けました。
そんなわけで、時折こうして海側が開けても、高巻いた道から見下ろす感じの眺めが続きました。
相変わらず、海岸へ向かうらしい道への分岐が頻繁に現れますが、かなりの高度差を行き来する羽目になりそう。足には既に結構な疲労感がある上、最後には大室山への登りも控えているので、分岐は全てスルーしました。
ここなどは、柱状節理の見本になりそうな景色でした。海中に流れ込んだ溶岩が急激に冷やされたのでしょう。

しばらく穏やかだった道も、コースの後半に入ると再び起伏が激しくなります。この頃には私自身の疲労も進んでいて、次第に階段がすんなりとは登れなくなるなど、登りではガクンとペースが落ちるのを実感しました。
さらに進むと、対島の滝展望台への分岐が現れました。ここは小さく下るだけのようですし、入ってみます。
対島の滝は、溶岩台地上を流れる対島川が城ヶ崎海岸に直接落下する、なかなか豪快な滝でした。ここは、対島川の水量が少ない時は滝のように見えないらしいので、ちゃんと流れ落ちるさまが見られてラッキーでした。
上流側を見ると、そこにも小滝が連なっていて、全体を大きな滝として見ることもできるようです。

対島の滝からコースに戻ると、すぐに橋立吊橋が現れました。
橋立吊橋は全長60m。頑丈に出来てはいますが、その長さゆえ、結構揺れました。
橋の上からは、太平洋を一望することができました。こちらは橋の真ん中付近から進行方向を見たところです。
渡り終えた橋立吊橋を振り返りました。
その後も比較的大きなアップダウンが最後まで続き、単に海岸線を歩いていただけなのに、それなりの山をひとつ登り下りしたくらい、足には疲労が溜まっていました。城ヶ崎自然研究路を侮ってはいけなかったようです。
最後は割と唐突に民家の脇に出て、そこで城ヶ崎自然研究路はおしまいでした。

八幡野漁港の手前で、集落に入るところを右折して、ここからは伊豆高原の桜並木を目指します。
急坂を伊豆急線の線路脇まで登ると、その先に最終目的地の大室山が見えてきましたが、まだ遠い眺めでした。
それから国道に入ると、途中にマックスバリュ伊豆高原店があったので、ここでトイレ休憩させて頂きました。
※城ヶ崎自然研究路の案内図には、国道に出る手前あたりに、トイレがある施設として八幡野コミュニティセンターが書かれていたのですが、それを見つけられないまま国道に出てしまったので(帰宅後にGoogleマップで確認してもその所在が良く分からない‥‥)、自由に入れるこのスーパーの存在は有り難かったです。
さらに国道を進むと、いよいよ前方に目的の道との立体交差が見えてきました。
この階段を上がれば、伊豆高原駅前から始まる「伊豆高原桜並木」に出られます。桜の木も見えていますね。

今回の行程で一番の楽しみにしていたのが、この伊豆高原桜並木です。
約3kmにわたって続く伊豆高原桜並木を会場として、先週末から明日にかけて「伊豆高原桜まつり」が開催中。今年はそこに見頃のピークがピッタリとハマッたようで、多くの見物客が繰り出していました。
道路の両側に、桜の木が全く途切れることなくずっと続いていて見事です。
結構交通量の多い道路なのですが、時折車が途切れるタイミングを狙って、車道からも撮ってみました。
一貫して登り坂が続くので、次第に汗ばんできます。そのためか、歩いている人の数は、登るにつれて減ってきているように感じました。同じような景色が続きますから、そりゃ途中で引き返したくもなりますよね。
桜並木は、高原中央バス停付近で左折方向にも分岐します(この写真はその左折の道に少しだけ入ったところ)。実は最も濃密な桜のトンネルはこの先にあって、だから人や車の流れも完全にそこを目指しているようだったのですが、私が向かっている大室山からは離れてしまう方角になるので、今回はこの道には入りませんでした。
ということで、左折の道を見送って直進すると、あからさまに人も車も数がガクンと減りました。
それでも桜並木の見事さは変わらずに続いていて、見物客が減った分、落ち着いた雰囲気の中で楽しめるようになります。その反面、坂の傾斜は一段とキツくなって、登るのは辛くなってきました。もう汗が止まりません。

長く続いた桜並木が終わると、道路脇の建物も少なくなって、左手には最終目的地の大室山が姿を現しました。
大室山は頂上部でリフトの営業があり、その区間は徒歩での登山が禁止されているため、最後の標高差約140mは自分の足で登ることができず、一般的には登山の対象と考えられていないと思われます。
しかし今回は、海抜ほぼ0mの城ヶ崎海岸から、リフトがある標高約400mまでは、自分の足で登ろうとしていて、現在はその途上にあります。まず先に登山口まで車などで上がっておき、そこから上を歩いて登る普通の登山と比べると、その順序こそ逆転しているものの、リフト区間の約140m以外はすべて自力で登っている訳です。
これは、標高580mの山に、標高140mの登山口があると仮定してそこから登るのと意味合いは変わりませんから、大室山への「登山」だと堂々と言えるのではないでしょうか。とはいえ、歩いた区間がすべて車道だったという点において、登山のイメージからかけ離れた内容になってしまったのは正直なところ否めないのですが‥‥。

さらに坂を登り、大室高原エリアの入口まで来たら、別荘地の案内図が立つ地点を左折して細い道に入ります。
別荘地内に入ると、正面に捉えた大室山に向けて、いよいよ勾配が急になりました。局所的には車道であることが信じられない程の激坂も出てきます。この日は、前半の城ヶ崎自然研究路を歩き終えた時点でもう、かなり消耗が進んでいたので、そこからさらに400m近く登った挙句のこの急坂に、何度か心が折れそうになりました。
二車線の道路を横断する地点まで来ると、いよいよ大室山が間近に迫ってきました。山体が一年生の植物によって均一な緑色に染められて、それ以上の丈の植物が見られないのは、毎年冬に山焼きが行われているからです。
その後も容赦なく傾斜を増した別荘地内の激坂を登り、ヘロヘロになった頃、大室山の外周道路に出ました。
最後は大室山の斜面を左に見ながら登ります。少しは傾斜が緩んだものの、なおも続く登り坂に、もう汗だく。

ようやく、大室山のリフト乗り場が近付いてきました。誰もがここまで車で来ていて、風がやや涼しいので上着などを羽織っている中、私ひとりだけ半袖なのに大汗をかいて肩で息をしているのが違和感ありまくりです。
リフト乗り場の前まで来ると、そこには長蛇の列ができていて、最後尾に並んでからリフトに乗れるまでに、実に30分を要しました。人混みや混雑が嫌いなので、旬なものを旬の時期に合わせて見に行くような真似を、普段の私は滅多にしないのですが、それを今回はしてしまったことをちょっとだけ後悔しています。
列に並ぶこと30分、間もなくリフトに乗れそうです。
約6分間の空中散歩を楽しみながら、大室山の頂上部へ。

さて、ここで大室山の空撮写真をお見せしたいと思います。こんなものが自分で撮れるはずもなく、当然拾い物なので少し躊躇しましたが、やはり言葉で書くよりも見て頂くのが早いので載せてしまいました。
大室山は約4000年前の噴火によって形成された円錐台状の丘で、手前側の山腹に見られる筋状の部分が、リフトの施設に当たります。最高点はリフトの山頂駅から火口壁を伝った反対側(この写真では火口の奥側)です。

リフトから降りたら早速、大室山の火口壁を一周する“お鉢巡り”を始めます。どの方向も視界を遮るものが一切なく、大展望を得ながら歩けるのが、物凄く気分爽快でした。彼方の洋上に浮かんでいるのは伊豆大島です。
北側を眺めてみると、伊東市街や一碧湖、初島などを見渡すことができました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
東側に目を移すと、シャボテン公園を見下ろす先に、小室山の小さな頂が見えていました。
深さ約70mのすり鉢状の噴火口跡は、アーチェリー場になっていました。
大室山の頂上は、リフトの駅の反対側にあって、リフトの駅よりも40mほど高く、これはその最後の登りです。
登って来た道を振り返りました。

大室山の頂上に着くと、そこには三角点がありました。
三角点を少し過ぎた所には、大室山の解説板が立っていて、それが展望盤も兼ねていました。
その南側の展望です。結構雲が出ていた割には、天城山の万二郎岳がちゃんと見えていました(天城山最高峰の万三郎岳は、遠笠山に前を遮られて見えていません)。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
頂上から、アーチェリー場がある噴火口跡越しに、リフトの駅を振り返りました。
頂上からの下りです。なお雲が多かった西側は、下でリフトの列に並んでいた頃まで見えていた富士山がその雲の中に入ってしまったりしてして、この時は写真を撮るほどの眺めがありませんでした。
このあと、下りのリフトでも駅前にも短い列ができていて少し待たされたりして、乗ったリフトが山麓駅に着く前に乗ろうとしていたバスがバス停に入っていくのが見え、リフトから降りたら一目散に走ってそのバスにギリギリ間に合いました。ということで、最後にバスに乗ったシャボテン公園バス停の写真は取り損なっています。
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暗沢山・高通山 [伊豆]

2017/03/11(土)

■第348回 : 暗沢山(520m)・高通山(518m)


南伊豆の山を巡った今回、ハイライトはなんといっても、高通山からの素晴らしい展望でした。
伊豆半島の海岸線を一望する眺めがもう絶品で、それなのに頂上には私ひとり。絶景を1人だけで独占するという、この上ない贅沢な時間を過ごしつつ、ほかに誰もいないのが不思議で仕方ありませんでした。
それに対して先に登った暗沢山のほうは、特に登りに選んだコースが一般登山道ながら廃道の雰囲気すら漂う荒れようで、人がいないのも道理と納得できてしまう状況。前後半であまりに印象の異なる山行となっています。

(高通山からの展望。上が堂ヶ島や雲見などの西海岸、下は下山方向の伊浜から谷川浜にかけての海岸線です)

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:33-05:55 本厚木
本厚木 05:59-06:36 小田原 06:45-07:08 熱海
熱海 07:22-08:45 蓮台寺 09:00-09:38 松崎中学校

(登山行程)
松崎中学校バス停  09:40
重文岩科学校バス停 10:20
暗沢山       11:45-12:00
高通公園      12:50-13:00
高通山       13:30-13:55
波勝崎       14:40-14:45
伊浜バス停     15:15

(復路)
伊浜 15:46-16:53 伊豆急下田 17:01-18:12 伊東
伊東 18:13-18:37 熱海 18:53-19:16 小田原
小田原 19:23-20:16 相模大野 20:25-20:40 南警察署前


大きなマップで見る

今回は、前日に南伊豆フリー乗車券の購入を済ませてスタンバイ(当日の購入が不可のキップです)。
伊豆急全線と南伊豆エリアの東海バスが乗り降り自由になるこのキップ、伊豆急線を下田まで往復するだけでも元が取れるという大盤振る舞いで、バスにも結構長い距離を乗った今回は、2,600円ほどお得になりました。

伊豆急線を終点の1つ手前まで乗って、蓮台寺駅で下車します。この頃までは、良く晴れていたんですけどね。
駅前に出て松崎方面へのバスを待つのが、私だけだったのが意外すぎました。下田発の路線なので、やって来たバスには数人の乗客がいましたが、ほとんどは地元の人たちだった様子。バスを使う観光客なんていないのか?
バスが峠を越えて伊豆半島の東海岸から西海岸へ回っているうちに、空はすっかり曇ってしまいました。松崎の市街地に入る寸前の松崎中学校で降りる頃には、傘を差すほどではないものの小雨まで舞い始める始末です。

少し歩くと、福祉センターというバス停の近くに、牛原山への登山口があります。何年か前に立てた当初の計画では、まず最初に牛原山に登って、その向こうの岩科学校へ下ることにしていたのですが、実行直前に2017年版の「山と高原地図」を確認したら、牛原山から岩科学校へ下る道が「廃道」となっていてビックリ。登った後でこちら側に戻るしかないのでは時間のロスが大きいので、計画を微修正して牛原山は省略することにしました。
ということで、牛原山は麓の車道でぐるりと迂回して、岩科学校へ向かいます。前方には、当初の計画では2番目に登る予定だった暗沢山が見えてきました(写真の中央やや右寄りで電波塔が2本立っているのが暗沢山)。
重要文化財の岩科学校は入口前を通過するだけ。奥には、明治13年に建てられた2階建ての校舎があるらしい。

車道ばかり約3.5kmを歩いて、重文岩科学校のバス停まで来たところから、実質的な登山開始となります。
松崎からここまで、接続が良ければバスを利用したかったのですが(フリー区間ですし)、次の便は1時間半も待たされますし、その前の便は始発で出掛けて来ても乗り継げない状況で、仕方なく歩くしかありませんでした。
岩科学校のバス停から暗沢山へのコースは、赤実線の一般登山道にもかかわらず、バス停からの道案内が皆無でした。登山地図の縮尺も8万分の1と小さく、地図だけを見て迷わずに進むのは難しいでしょう。付属する小冊子を併用すれば、案内文で分かるようになっているとはいえ、現地に道標がないのはあまりに不親切に感じます。
上の写真のY字路まで来ると、やっと最初の道標が現れて、左の道が登山コースだと示していました。

道標に従って進むと、舗装された農道がかなり奥まで続きます。道の両側はかつての耕作地らしく、今ではあまり顧みられていない様子だったものの、結構登ってからも朽ちかけた作業小屋を見掛けたりしました。
山道に変わると、今度は石ゴロの歩きにくい道がずっと続きます。元々は石畳だったものが、今ではどの石も好き勝手に散乱し、落ち枝なども積もり放題で、登山道としてほとんど手入れされていないのが明らかでした。
この切り通しを抜けた先が指川峠だったようですが、それを示す標識はなかったようです。
指川峠の先も相変わらず、路面が酷く荒れています。こんな様子では、ろくすっぽ人に歩かれていないのでしょう。暗沢山の手前の大峠に着いて、別のコースが合わさるまでは、このまま誰にも会わないと確信しました。
落石や倒木の散乱で、いちいち足の置き場を選ばないと進めません。もはや道としての体をなしているとは到底思えず、まるで廃道でも歩いているかのような気分でした。登山口からの道案内の不親切さもあって、ここが一般登山道とされていること自体に違和感がありまくりなのに、登山地図に付属の小冊子がこのコースの紹介までしているのが実に不可解です。私には、とても一般に薦められる状況のコースではないとしか思えませんでした。

そんな矢先、左から合わさってきた車道に、かなり山深い所まで入ってきたという気分をひっくり返されます。
その付近には数軒の家屋が見られました。普段からここで生活するのは不便そうなので、別荘とかでしょうか。
その先の道は、しばらくの間は舗装されていましたが、家屋のある一角を過ぎて轍が消えたらその途端、こんな状況に。ここもまだ舗装道路なのですが、散乱物の多さに舗装面がほとんど見えない有様です。
舗装道路が終われば、当然のように、荒廃した山道が取って代わります。
こうなると、もう歩きにくさは一目瞭然で説明するまでもなさそう。一般登山道を歩いて、ここまで残念で興醒めな気分にさせられたのは、これまでになかった気がします。
状況に改善の兆しが見られたのは、大峠に近付いた頃でした。整然とした植林地に入ると、その中の道も良く踏まれた感じに変わって、歩きやすくなったのです。きっと山仕事などで大峠側から人が往来しているのでしょう。

三叉路の大峠に到着すると、合わさった2本の道はどちらもしっかりと踏まれていて、少しホッとしました。
暗沢山へは、直進する山道を車道に合わさるまで進むとされていますが、なかなか車道に出そうもありません。
そこで大峠まで戻ると、車道を見上げる斜面に踏み跡があったので、それを追ってショートカットしました。
車道までの距離は僅かで、さほどの急斜面でもなく、難なく車道に上がれました。
あとは電波塔のある頂上を目指して車道を登るだけ。暗沢山への登りは、最後まで味気ない感じでした。

暗沢山の頂上は、平坦地にそこそこの広さがあって、ゆったりとした佇まいでした。
私製の標識と、大きな標石の一等三角点がありました。
開けている北側には、天候に恵まれれば富士山や南アルプスが眺められるなど、大展望が広がるはずでした。しかし曇っていたこの日は、同じ伊豆半島の天城山ですら雲の中で、見渡せたのは近い範囲にとどまっています。
パッとしなかったこの日の展望はこんな具合でした。2008年に登った長九郎山の右後方に、天城山くらいまでは見えていて欲しかったのですが‥‥。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
振り返ると電波塔が占めている南側は殺風景で、東西も樹木のため見通しがなく、お楽しみは北側だけでした。
暗沢山の頂上に誰もいなかった時点で、このあと高通公園に下るまで誰にも会わないであろうことが確定的になりました。時刻は既に正午、こんな地味な山に午後になってから登ってくる人なんて、稀でしょうから‥‥。

大峠まで戻ったら、登ってきた岩科学校からの道を見送って、道標が「長者ヶ原」と案内する方向に進みます。
軽く登り返して行くと、すぐに長者ヶ原に出ました。立派な休憩舎と解説板があります。
長者ヶ原は草原状に開けた広い場所です。こんな時期なので、枯れ色の寒々しい風景になっていますが、暖かくなれば緑の草原に変わるのでしょう。条件に恵まれれば、富士山を望めたりもできるようです。
こんなに気持ちの良さそうな場所なのに、ベンチのいくつかは草に埋もれていて、あまり使われていない様子。ここはツツジの群生地として知られていますが、花期の5月を除くと、訪れる人は少ないのかもしれません。

長者ヶ原の草原を横切ったら、さらに先へと進みます。
その後しばらくの間、道は良く踏まれていて、この日初めてマトモな登山道を歩いている気がしました。
しかし、いくつかの分岐点を経て進んでいくうちに、次第に道が細くなっていきます。私が次に目指しているのは高通公園ですが、そこから歩いてくる人が決して多くはない、ということなのでしょう。
そこまでは想定内でしたが、大峠以降は頻繁に設置されていた道標とテープによる目印が、その先のある地点を境にパタッと見られなくなってしまったのには焦りました。その地点というのが、道が分岐しているようにも見えて、少し進路に迷った地点だったので、そこで進路を誤っていた心配があったのです。さらに進むと道が不明瞭になる箇所もあって、正しい道から外れているのではないかと、不安を抱えて歩く区間が少し長く続きました。

なので、次にこの木段を見た時は、正しいコース上にいることが分かってホッとしました。
一旦木段が現れたら、その後は木段の下りが繰り返されて、何度目かの木段の先に車道が見えてきました。
車道に降りた地点を振り返りました。登山道の整備状況が万全とは言い難い暗沢山でしたが、ひとまず計画通りのコースをトラブルもなく歩き通せたことになります。

細い車道から国道136号線に出ると、国道を横断した向こう側に高通公園が見えてきました。
高通公園できれいな水洗トイレを利用させて頂いたあと、これから始まる高通山への急登に備えて、ベンチに腰掛けて少し足を休めていきます。
ところで、高通山は暗沢山よりは登山者が多いと認識していて、下山者を待つ車が公園の駐車場に何台かは停まっているだろうと想像してきたら、それが全く見当たりません。高通山は登山口が計3箇所あるので、頂上の状況は分かりませんが、少なくともここから頂上へ登る間に下山者とすれ違う可能性は、ほぼゼロに近くなったことになります。この日は未だ自分以外の登山者を全く見ていませんが、その状況はまだ続くことになりそう。

高通公園を後にして、高通山への登山道に入ります。この標識によれば、頂上までの距離はたった850m。その間に約260mを登るのですから、かなりの急登が待ち受けているはずです。実際の見た目もこの写真の通り、高通山がほとんど真上に向かってそびえているかのようで、ここで気合いを入れ直しました。
公園の少し上で山道が始まると、案の定、木段が立て続けに現れて、最初から息が上がります。でもそこにさえ目をつぶれば、見た目はいたって普通の登山道。この日はいつもとどこか勝手が違う登山道が続いていただけに、見慣れた雰囲気で良く踏まれている登山道の様子に、普段と同じ落ち着いた気分で歩き始められました。
所々に少し傾斜が緩む区間があっても、そのすぐ先にはまた次の木段が見えてくる、という繰り返しです。
標高があがるにつれて、登山道に木段の占める割合が増えていき、その段差も大きくなったという印象です。
この日は割と早い時点で山シャツの上に羽織っていた物を脱いでいましたが、急登の連続にそれでも暑くなって、このあたりからは袖をまくって登っています(以降も、伊浜のバス停に着くまでずっと半袖で歩きました)。

高通山の頂上に到着すると同時に、空が晴れてきました。そして意外なことに、これまで無人だったようです。
樹木の多い頂上で、意外にも全く展望がない方向も多いのでした。
頂上標柱と三角点です。
南側に面した一角にはベンチが置かれていて、そこから太平洋を一望する雄大な眺めが楽しめました。
高通山頂上からの展望です。見えている海岸線は、このあと目指す伊浜から谷川浜にかけてといったあたり。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
伊浜から谷川浜にかけての海岸線をアップにしました。左下が下山先となる予定の伊浜集落です。

事前にも情報を得ていましたが、頂上よりも展望が良いらしい「北側展望台」が近くにあって、標識も案内してくれているので、そちらにも立ち寄ってみました。
想像していたよりも大きく下ってしまうこと3~4分で、前方が大きく開けてきました。
「壮観」の一言に尽きます。ここにも誰もいなくて、こんな絶景を独り占めしている気分の良さといったらありませんでした。そして、晴れてくれてありがとう!
北側展望台からの大パノラマです。もっとクリアに晴れていれば、海の向こうに富士山や南アルプスまで望むこともできるようなのですが、これでも十分な眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
雲見エリアをアップにしました。変化に富んだ海岸線が魅力的で、肉眼では遊覧船の航行も確認できています。

展望を堪能したら、波勝崎への道を下ります。登山地図では一般登山道として描かれているものの、ネット上で探せる記録の数は少なくて、あまり歩かれている様子ではないのが心配の種でした。現地に来てみたら、意外なほど立派な道標が案内していた点は安心材料かなと思いましたが、実際のところどんな状況の道なのでしょうか。
高通公園からの登りと同じように、木段の多い道でした。しかもこちらは、崩れかけている箇所があったり、木段上への落石などがそのままになっていたりして、決して歩きやすくありません。歩く人が少ない分、整備も手薄にされてしまっているのでは、という印象でした。
それでも随所で海を眺めながら、その海へ向かって下る具合で、見られる景色は爽快でした。
それにしても木段の多いこと。中には、こんな風に相当な急降下になる箇所もありました。だからゆっくりと下れば良かったのでしょうが、勢いに任せて飛ばしてしまったので、少々膝への負担が大きかったようです。
3番目の注意が異彩を放っています。ま、山の中を歩いていてサルに会うことは、決して珍しくはないけれど。
かなり下ってからは、木段の合間に緩やかな区間が現れるようになり、ひと息つけるようになりますが‥‥。
木段の区間では土砂が流れて段が埋まり、このように単なる急斜面と化していたり、そこへさらに落石が絡んだりして、歩きにくさが増していました。これ以上放置すると、いよいよ歩けなくなってしまいそうです。
車道に出る直前まで、急な木段は断続的に現れて、珍しく最後には膝が笑いかけてしまいました。

ここからは一旦車道を歩きます。
すると間もなく、車道で寛いでいるサルを見掛けました。
もしも群れと遭遇したら少し怖かったかもしれませんが、一匹だけですから、静かにすれ違う限り、お互いの間に特別な緊張感は生じませんでした。まぁ観光地の波勝崎が近いですから、サルも人慣れしていたのでしょう。
ここで車道を歩く距離は短くて、すぐにまたここから山道に入ります。
すると、またしても急で荒れた歩きにくい木段の再現となりました。
ほどなく、前方に波勝崎の駐車場が見えてきて、あと少しだと思ったら、この先の木段がもう最悪でした。ほとんど木段の体をなさないほどに酷く荒れ果てて、歩きにくいどころではないのです。悪路に慣れている私でも難儀させられたので、普通の人は歩行困難ではないかと思われるほど。何故こんな状況が放置されているのだろう?
最後は目に余るほどの悪路、本当に「おつかれさまでした」ですよ。まったく。

波勝崎の駐車場まで来ましたが、ここからでは、海岸は限られた範囲しか見られません。
時間に僅かながら余裕があったので、奥に見える海岸に寄ろうかと思ったら、なんと道がロープで封鎖されています。どうやらこの先へ進むには入園料を払う必要があって、しかも海岸までは送迎バスでの移動になる様子。
ここで使える時間は15分がいいところ。入園料を払ったところで、すぐに戻って来るようですし、送迎バスの時間に左右されたくもなければ、自分の足で歩けないことにも興醒めなので、駐車場の先に入るのは諦めました。

波勝崎にはバス路線がないので、帰るためにはさらに2.5kmほど先の伊浜まで歩かなければなりません。波勝崎を後にして、波勝崎に通じている唯一の道路を少し歩いていくと、右に分岐する細い道があります。
分岐点に道路標識や道標はありませんが、大きな石に黄色いペンキで「伊浜遊歩道」と書かれていました。
普通の道路ですが、標高100mくらいまで登ってから海沿いを進むので、抜群の景色を見ながら気分良く歩けます。ほどなく前方には最終目的地の伊浜集落が見えてきました。
伊浜集落の先に見えていたのは、谷川浜あたりまでの海岸線です。
右を向けば、太平洋の大海原がどこまでも広がっていました。水平線まで見通せたのは久々な気がします。

伊浜集落が近付いてきました。ささやかな漁村といった佇まいに風情が感じられます。
最後に海辺の道路に出たら、もうゴールは目と鼻の先です。
先程までいた波勝崎の方向を振り返りました(波勝崎までは見えていないようです)。
午後3時を過ぎた小さな漁港に人の姿はなく、長閑な時間が静かに流れていました。

バスの時刻には余裕があったものの、とりあえずバス停の様子を見に行ってみたら、すでに折り返しとなる便が到着してバスが停まっていました。近くにいた運転手さんと会話して、発車が30分後なのを確認できたので、それまでは海岸に戻って待つことにします。実はこの路線のダイヤが平日/休日ではなく通学日/休校日で区別されていて、この日がどちらに当たるのか確信がなかったのですが、これで安心してバス停を離れられました。
伊浜バス停です。上の写真でもほぼ真ん中にこのバス停があるのですが、すぐ隣に車が停まっていたことで、撮りたかったアングルでは写真になりませんでした。
この日のラストシーンは波打ち際。手頃な石に腰掛けて、目の前いっぱいに広がる海と、そこから寄せては返す波を眺めて、残りの時間を過ごします。この頃になると空はスッキリと晴れ渡り、力強い日差しに半袖でも汗ばむほどで、爽やかな潮風がとても心地良く感じられました。
発車時刻が迫ったら再びバス停へ。このあと、このバスに1時間以上揺られて伊豆急下田駅に向かい、伊豆急線を初めて全線乗り通す形で帰途に就きます。山と海、両方の景色を楽しめたこの日の山行でした。

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大平山・古城山 [伊豆]

2017/02/25(土)

■第346回 : 大平山(578m)・古城山(540m)


今回訪れたのは、伊豆半島の付け根付近にある山です。最初に登った大平山に登山道があるのに対して、次に向かう古城山には登山道がなく、久しぶりにバリエーションルートを歩く計画で出掛けました。
バリエーションルート上では、予想していた以上に道がなくて進路が分かりにくかったところへ、必携装備のコンパスが作動しないアクシデントまで発生して、最終兵器のはずのGPSを最初から発動する羽目になったりしましたが、とりあえず予定通りには歩くことができています。

それにしても、登山道上に楽しめるような特段の景色がなかった上に、頂上などからの展望も限定的で、どちらも地味な山でした。このような低山では、それが本来の姿に近いと思っているので、私には観光のために人が手を入れ過ぎた山よりもむしろ好ましく感じられたのですが、一般受けしない山であることは間違いないでしょう。
そんな山だからか、この日は自分以外のハイカーと出会うことのない、完全な1人旅となりました。自然の音だけに満たされた世界にずっと身を置くことができて、その自然との対話も存分に楽しめた気がしています。

(往路)
市営斎場入口 06:15-06:30 相模大野 06:39-07:28 小田原
小田原 07:36-07:59 熱海 08:24-08:47 伊東

(登山行程)
伊東駅    08:55
丸山公園入口 09:10-09:15
大平山    10:20-10:30
四辻     11:05
柏峠     11:20
冷川峠    11:55-12:00
古城山    12:35-12:45
松川湖    14:05
おくの公園  14:10-14:20
城の平バス停 14:40

(復路)
城の平 14:53-15:13 伊東 15:21-15:44 熱海
熱海 15:47-16:09 小田原 16:31-17:25 相模大野
相模大野 17:28-17:43 市営斎場入口


大きなマップで見る

伊東駅からスタート。冷え込みが弱く、日向では朝から暖かさが感じられた一方で、風はまだ冷たかったです。
はじめは車道歩きで住宅街の中を抜けていきます。緩やかな登り坂が続いて、すぐに身体が暖まってきました。
15分ほどで丸山公園の入口に到着しました。車道歩きはここまでです。

丸山公園に入って、良く整備された遊歩道を登っていきます。
少し登った所に広場があり、かなり汗ばんでいたので、ウェアを調節していきます。山シャツの上に重ねていた物は全部脱ごうかとも思ったのですが、風に当たると一気に冷えるので、ジャケットは羽織ったままにしました。
その広場では梅の花が咲き始めていました。

丸山公園はかなり広くて、公園内の遊歩道だけでも100mくらいは登ったようです。公園の端まで来て、遊歩道が終わったところから、ようやく山道が始まりました。丸山公園から大平山へは、尾根コースと渓谷コースの2本が整備されましたが、現在は渓谷コースが整備不良で通行止めなので、歩けるのはこのコースだけです。
「ハイキングコース」にしては、道はかなり頼りないものでした。どうやら、あまり盛んに歩かれているコースではなさそうです(時期的な要因もあったかもしれませんが)。尾根が狭くて歩ける場所が限られるうちは明瞭な道も、尾根が広がって踏み跡が分散してしまうような箇所では、しばしば不明瞭になりました。
そして、勾配がきつい箇所でも全くジグザグを描かないので、意識的にゆっくり歩かないと、すぐに息が上がります。ただ、過剰に整備された様子がない分、木段のような人工物を見ずに歩けたのは好ましく感じたのですが。
しばらく登ると、石切場跡の標識と解説板がありました。江戸城の築城にあたって、伊豆東海岸一帯が中心的な採石地になっていたとのことで、このあたりもその1つだったらしいです。
すると、その先の登山道脇には、大きな岩がゴロゴロと点在するようになりました。
さらにこんな標識も出現。「この石に刻まれている(図柄)は、加賀前田家の印(刻印)と言われています。」
そうは言っても半世紀近くも前の物だしと、あまり期待せずに見に行ったら、意外にも分かりやすかったです。
ただ、登山道自体の景色は、いたって地味なままでした。手入れされなくなった植林地に雑木林が進出してきたような、やや雑然とした林相が続いて、歩いていて楽しい道ではありません。私自身、再びここを歩きたいとは思えませんでしたし、恐らくはリピーターが少ないことで、あまり歩かれない道になっているのではと感じました。
大きく開けた場所もなく、周囲の山々も稀に樹木の間から眺められる程度で、樹木が葉を茂らせる時期にはそれすら難しいでしょう(写真中央は大室山。もっと右には天城山があるはずですが、この日は雲の中でした)。

大平山の頂上に着きました。実はこの先にもまだ少し登りが続いていて、正確な意味で頂上とするには適当でない地点だと感じたのですが、ここに三角点が設置されていることに引きずられて頂上にされてしまったようです。
標識と三角点のほかにはベンチすらありませんが、人の手があまり加わっていない感じには好感が持てました。
東側が少し開けていて、伊東市街を見下ろした先には太平洋の大海原が広がっていました。

大平山の頂上とされた地点から先へ進むと、さらに20mほど登った地形図の592mピーク(そこが大平山の最高点?)までは、気持ちの良い穏やかな尾根が続いていて、この区間だけは道もしっかりと踏まれている様子でした。
大平山の西側に少し下った所には芝生広場があって、そこまで車で入ることができて駐車場も整備されています。大平山を訪れる人の多くは、きっとそこから楽々と登ってきて、頂上部だけを軽く散策する感じなのでしょう。
最高点らしい592mピークを過ぎた次のコブには「展望ゾーン」という標識が立っていました。
「展望ゾーン」からは富士山や箱根方面が眺められて、この日のコースでは唯一の展望らしい展望です。それなのに富士山は山頂部以外がほとんどが雲の中だったほか、箱根山も雲に隠れていて、近い範囲しか見られなかったのが残念でした。開けていたのがこの限られた地点だけなので、「展望ゾーン」という名称にもやや違和感が。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
富士山は、上のリンクの大きな写真でも雲との区別が付きにくいので、アップの写真も挙げておきます。真ん中あたりで、頂上部だけが辛うじて、雲の上に顔を出していました。
それにしても人の少ない山域で、伊東駅から歩き始めて以来、全くハイカーを見掛けていません。最も人がいる確率が高そうなのが、西側の芝生広場から少し登るだけで気軽に歩ける大平山と展望ゾーンの間でしたが、そこでも誰にも会わなかったことで、この日はもう最後まで1人旅になるのが確定したようなものでした。一般登山道でさえ人がいないのに、この先で登山道を外れて、バリエーションルートに入ってしまうのですから‥‥。

といっても、まだこの先、柏峠まではハイキングコースの続きです。展望地を過ぎると、再びあまり歩かれていない様子の頼りない道に戻りますが、要所には道標が立っていたので、道に迷う心配までは必要なさそうでした
その後は特に写真を撮るような景色もないまま、四辻まで来てしまいます。ここはその名の通り十字路になっていますが、左に下る大平の森へのコースはもう歩ける状況にはないらしく、「危険 立入禁止」となっていました。
登山道も相変わらず地味な風景の中にあって、これでは歩く人が少ないのも致し方ないというのが率直な印象です。そのせいか、少し歩きにくいと感じる箇所が出始めているようにも思われました(単に、歩く人が少ない冬季は整備が手薄になっていて、それで少し荒れていただけなのかもしれませんが‥‥)。

柏峠でハイキングコースは二手に分かれます。冷川峠に向かうには、右折して林道に出るのが一般的ですが、それだと少し遠回りな上に、余計に下って登り返す形になってしまいます。そこで、整備されたコースを歩くのはここまでとして、少し先からいわゆる“バリエーションルート”に入り、冷川峠を直線的に目指すことにしました。
ということで、直進方向のハイキングコースをもう少しだけ歩いたら、この鉄塔の先の472mピークで右折して、尾根伝いに南下を開始します。地形図に破線路が描かれている尾根なので、少なくとも過去には道があったはず。
その尾根は、はじめの傾斜が緩やかな間は、なんとなく道形が残っているような感じだったのですが‥‥。
でも一旦傾斜が増してしまうと、もう道形を追える場所はほとんどなくて、あとは道なき道を進むことに。
こうなると、地図と方位を手掛かりに進むことになりますが、なんとこんな時に限ってアウトドア腕時計の方位計測が電圧低下で作動せず(電池交換の時期が迫っていたとは!)、方角を定めて歩けないということが発覚。
仕方なく、いきなり最後の手段であるはずのGPSの出番となってしまいました。GPSの助けを借りたので、進路に迷う必要がなかった反面、自力で「バリエーションルートを歩いた」と言える状況ではなくなっています。
しかも、GPSを頼ったから楽に進めたかというと決してそうでもなく、急斜面の多くはすでに人が歩ける状況にはなかったため、転滑落しないよう細心の注意が必要でしたし、倒木などに行く手を阻まれて迂回を余儀なくされた箇所も多く、近道をしたつもりが、時短にも体力温存にも全くならなかった気がしています。

間近に迫った冷川峠は県道が切り通していて、峠とその前後は垂直な擁壁の連続で直接下ることができません。
峠の南側の斜面のほうが勾配が緩いことは地形図からも読み取れますが、Googleのストリートビューでも南側のほうが歩きやすそうな斜面に見えていたので、眼下に県道が見えてきたら、少し南に進路を補正します。
とはいえその南側もかなりの急斜面で、最後は滑り降りるようにして下るしかありませんでした。
ということで、降りてきたのは冷川峠の少し南側。道路標識の「冷川峠」はこちら側にありました。
そこから少し登って軽く峠越え(笑)をして、冷川峠の北側に出ます。伊東と修善寺を結ぶバス路線の停留所はこちら側にありました(写真左端のポストがバス停です)。
峠の北側に回ってきたのは、そこに送電線巡視路の入口があるからなのでした(黄色いポストがその目印)。この日はもう一般登山道を歩くことはなく、冷川峠にも道標など古城山への案内を示すものは何もないのです。
ただ、道なき道を突破した直後ですし、これから始まる古城山への登り返しを前に、ここで少し息を整えました。

送電線巡視路で尾根に上がると、ネットから得ていた情報通り、防火帯として開けた尾根がずっと続いていました。ほぼ1本道なのに、最近の物らしい真新しそうなリボンも割と頻繁に見られて、なんだか至れり尽くせり。
一応はここもバリエーションルートの範疇なので、地形図を片手に現在地を確認しながら歩いていましたが、古城山までは進路が明瞭すぎるくらいに明瞭で、そんなことをしなくても誰でも迷わずに歩けるような状況でした。
進路は明瞭でも、最初に越えて行く470m圏の小ピークまでは急登もありました。一般登山道ではないだけに踏み固められていない地面が脆くて歩きにくかったので、少しはこういう所を歩いた経験がないと難儀するかも。
その後は何度かのアップダウンを繰り返しながら進みます。気持ち良く歩ける緩やかな場所も結構ありました。
防火帯の両側には、桜並木が続いている区間が多くて、花の時期には華やかな雰囲気に変わるのではないでしょうか。今では見に来る人などほとんどなさそうなこんな場所に、人知れずこんな立派な桜並木があるなんて。

そうこうするうちに、古城山に到着。頂上にはそこそこの広さがあって、ゆったりとした佇まいでした。
ある物は標識と三角点だけで、あまり人が来ている気配もなく、寂峰という言葉が相応しいような頂上です。
周囲を樹木に遮られて、展望はほとんどありませんが、むしろそれもマイナーな山らしくて好ましい感じ。
変にほかに気を惹かれることがない分だけ、この場所自体が持つ雰囲気にどっぷりと浸ることでができ、自然の音だけが奏でる静けさの中にいると、自分もその自然と一体化できたような気がしました。

その後も同じような尾根が続くものと思っていたら、防火帯は古城山のすぐ先で終了となりました。
防火帯が途切れて分かりやすい1本道ではなくなり、リボン等の目印もほとんど見なくなるので、510m圏のコブで直進する明瞭な尾根を見送って左に折れる箇所では、地形判断が必要でした。古城山を境に、元々少ない入山者がさらに減った印象で、尾根上の踏み跡はあっても微かになり、倒木やヤブも増えた感がありました。
それでも、松川湖への道が分岐する480m圏の小ピークまでは、地形図を見ていれば難なく歩ける尾根でした。その480m圏の小ピークには、この尾根を歩き始めて以来初めて見る分岐標識が立っていて、前後の方向を「鹿路庭峠-冷川峠」、左折方向を「松川湖」としていました。かつてここが一般登山道だった頃の名残なのでしょう。

松川湖へ下る道は、ネット上にほとんど情報がなかったものの、標識がきちんと示していることに加えて、最新の地形図が実線(軽車道=道幅1.5m~3mの道路)で描いている(それを元にしたらしいGoogleマップでも二本線で描かれている)ので、事前にはあまり不安に思っていなかったのです。しかし現地に来て、その手前から主稜線ですらほとんど踏み跡を見なくなっていたことに一抹の不安を感じていたら、それが的中してしまいました。
標識が示す方向に歩き始めたら、案の定、いくらも時間が経たないうちに道形が消失します。それもそのはず、主稜線がそもそも満足に歩かれていないのですから、そこからの枝道なんてろくに歩かれている訳がないのです。
せめて尾根筋がハッキリしていれば、地形図だけを手に歩けたかもしれませんが、上のほうの急斜面では尾根自体も不明瞭で、すぐにGPSのお世話になることに(ここはコンパスが作動したとしても、GPSがないと難しかったかもしれません)。また方角を決められたとしても、そこにあるのが転げるような急斜面だったりして、安全に立てる足場を慎重に見定めつつ少しずつ下る必要があるなど、特に上のほうでは厄介な局面が続きました。

それでも下るうちに、地形判断で進める場所が多くなります。時にはこんな穏やかな箇所もありましたが‥‥。
断続的に急斜面が現れて、いつまでも気が抜けません(方角を迷う箇所がなくなったのは幸いですが)。ここにかつて登山道があった頃、一体どんな道筋を描いて下っていたのか、現状からは全く想像が付きませんでした。
遭難が頭をよぎるような状況ではなかったとはいえ、目指している車道が見えてきた時はホッとしました。
しかし最後まで、楽に降ろさせては貰えませんでした。車道への降り口は、ネットの情報で石段となっていて、ただそれを下るだけで良いと思っていたら、今やその石段が完全に埋まっていたばかりか、その上に落ち葉が降り積もって、すっかり滑り台と化していたのです。ここを人が歩かなくなってから、どれだけの月日が経っていたのでしょうか。石段脇の竹などを掴んで身体を支えながら下りますが、途中で1度滑って尻餅をつかされました。

それでも道路に出てしまえば、あとはバス停を目指すだけで、もう何の心配もありません。道路のすぐ下には、奥野ダムによって生まれた松川湖があって、その湖畔まで降りると河津桜が満開となっていました。
上の写真でも左奥に写っていますが、松川湖に注ぐ落合川に架かっている「奥野エコーブリッジ」を渡ります。
「奥野エコーブリッジ」の上から、松川湖を眺めてみました。
その後は湖畔の遊歩道を歩いて、右奥に見えてきたダムの堤体に向かいます。
ダムの堤体上には石碑などがありました。
堤体上から見た松川湖です。
堤体上は自由に横断できるようになっていました。

ひととおり湖の景色を楽しんだら、洪水吐き脇の階段で、ダム堤体の斜面を下って行きます。
堤体の基部まで下ってきたところに、「おくの公園」があります。予め目を付けておいた通り、ここには全く人がいなかったので、バスに乗る前に着替えなどの身支度を済ませておくことができました。
「おくの公園」を後にしたら、バス道路までもう少しだけ車道を歩きます。県道を進むのが近道でしたが、時間には余裕がありましたし、県道は交通量が多いのに歩道のない区間があることをGoogleのストリートビューで見ていたので、少し遠回りになるけれど車がほとんど通らない細い道を選びました。
城の平バス停には待合所があって、中で椅子に腰掛けてバスを待つことができました。

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