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一切経山・吾妻小富士 [東北]

2016/10/22(土)

■第336回 : 一切経山(1949m)・吾妻小富士(1707m)


この日は、つい4日前(10月18日)に火山活動の沈静化に伴って登山道の通行規制が解除され、浄土平から登れるようになったばかりの一切経山を、吾妻小富士とセットで登ってきました。

活火山らしい荒涼としてダイナミックな山並みが、圧倒的な迫力で訴えかけてくる中、点在する湖沼群が神秘的な色彩で優美に魅了してくるという、素晴らしい景観の数々に、この場所がすっかり気に入ってしまいました。
しかもこれらが、4時間ほどの軽めの山歩きで気軽に楽しめるので、皆さんにも自信を持ってお薦めします。

吾妻小富士から、眼下の火口越しに一切経山を振り返ったところ。こんな迫力満点の景色があるかと思えば‥‥
『魔女の瞳』の異名を持つ五色沼。一切経山から見下ろすこの景色が、この日一番の楽しみだったのでした。

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 05:53-06:27 新宿
新宿 06:39-06:52 東京 07:12-08:48 福島
福島 09:50-11:30 浄土平

(登山行程)
浄土平バス停 11:40
一切経山   12:45-12:55
鎌沼     13:20
浄土平バス停 13:55
吾妻小富士  14:20-14:30
浄土平バス停 14:40

(復路)
浄土平 15:40-16:50 福島 17:01-18:10 大宮
大宮 18:13-18:44 新宿 19:00-19:34 相模大野
相模大野 19:45-20:00 南警察署前


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東北新幹線の車内に福島駅到着のアナウンスが流れる頃、車窓にこれから向かう東吾妻の山々と安達太良連峰が現れました。写真右半分が東吾妻の山々で、左端が安達太良連峰です。
東吾妻の山々を拡大しました。ピントが少しボケてしまいましたが、吾妻小富士は火口を一周するお鉢の様子も良く見えていました。(下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します)

福島駅からバスに揺られること約2時間、磐梯吾妻スカイラインのほぼ最高点に当たる浄土平に到着しました(右端が乗ってきたバス)。広大な駐車場は観光バスやマイカーで埋まり、多くの観光客で賑わっています。
浄土平周辺では紅葉の見頃を過ぎていましたが、標高を下げればまだまだ楽しめる場所もあるので、磐梯吾妻スカイラインも渋滞するほどではなかったものの、交通量はかなり多かったです。
振り返れば、最後に登る予定にしている吾妻小富士が、もう目と鼻の先にあります。1時間ほどで周遊できるとあって、観光客が列をなして登っている様子が手に取るように分かりました。
浄土平へのバスの運行は1日2便しかなく、それを利用する限り滞在時間を4時間しか取ることができません(なぜ、もっと余裕を持って観光できるダイヤにしないのだろう?)。しかもバスの到着が10分ほど遅れたので、慌ただしく支度をして歩き始めます。一切経山への登山道は、広い駐車場の一番奥から始まっていました。

登山道に入りました。こんな穏やかな道なのは、最初のうちだけです。
目指す一切経山は、この山に隠れてまだ見えていません。以前はこの山に登山道が付けられていて、それが一切経山への近道だったのですが、この山の中腹にある噴気孔から火山ガスが噴出していることから通行止めになっていて、現在は左側から回り込むようにして一切経山へ向かう形になっています。
すぐに、岩がゴロゴロした歩きにくい道に変わりました。段差の大きな箇所も多くて、なかなか疲れます。
しばらくして振り返ると、吾妻小富士を見下ろせる高さになっていました。写真左端はバスを降りた浄土平で、一切経山を登り終えて浄土平に一旦戻ったのち、見えてきた吾妻小富士頂上のお鉢巡りをする予定です。

やや急な登山道をひとしきり登ると、突然平坦地が現れて視界が広がりました。
このあたりが湿原が広がる酸ヶ平で、湿原を見ると草紅葉が終わって枯れ色になっていました。登山道は一切経山と鎌沼との分岐点になっていて、まずは右折して一切経山を往復してから、直進方向の鎌沼へと向かいます。
こちらが右折方向ですが、まだ一切経山は見えていません。
前の写真にも小さく写っていますが、すぐに酸ヶ平避難小屋の前を通過していきます。
酸ヶ平避難小屋を過ぎてから振り返ると、酸ヶ平の小湿原の先に、後で向かう鎌沼が見えてきていました。

その先にも、岩ゴロでザレた地面の歩きにくい登りが続きますが‥‥。
ようやく前方に目的の一切経山を捉えると、そこからは傾斜が緩んでくれました。
とはいえ、岩ゴロのザレた地面は相変わらずで、あまり快調には登れません。
それでも、最初のうち一切経山を隠していた手前の山に達したあたりからは、地面が砂礫だけになって、かなり歩きやすくなりました。
振り返ると、吾妻小富士がすっかり眼下になっていました。
いよいよ頂上が目前です。ところで寒さを心配していたら、気温が思ったほど低くはなくて、自宅から羽織っていたフリースは登り始めてすぐに脱いでいました。しかし元々少し強めに吹いていた冷たい風が、前方に遮る物がなくなったこの付近で急に強まったので、ここからは再びフリースを羽織り、手袋もして登っています。

一切経山の頂上に到着しました。
歩いてきた時間は浄土平から1時間と少々、標高差も400mに満たないほどなので、ほとんど疲れはありません。
かなり広い頂上です。とにかく風が強いため、皆さん風下側の斜面で休憩していて、風上側には誰もいません。
周囲には360度の大展望があって、三角点の等級も一等でした。
頂上を通り過ぎて北側に少し下ると、本日最大のお目当てだった『魔女の瞳』が姿を現しました。これが見たかったんですよ!。吾妻山の火口湖のひとつである五色沼は、光線の具合で刻々とその色彩が変化することや、割と整った円形をしていることから、このように呼ばれることになったとか。
上空には雲も多かったのに、この時まではしっかりと晴れてくれて、日差しを受けて青く輝く水面が見られたのはラッキーだったと思います。異名の持つ印象からか、本当に吸い込まれそうな色に見えました。

もうひとつ目を奪われたのは、やはり周囲に広がるパノラマでした。東南側から西側にかけての眺めがこちら。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
吾妻小富士と安達太良山をアップにしました。写真右奥にやや淡く写っているのが安達太良連峰です。
続いて磐梯山のアップです。写真では少し分かりにくいのですが、磐梯山の後方で、より遠くの山々が雲海に浮かんで見えているさまも綺麗でした。
一方こちらは西側から北側にかけての展望です。月山の右奥には、遙か遠くの鳥海山が霞んで見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
蔵王連峰を少しアップにしてみました。

あまり時間に余裕がありませんし、寒風に吹かれていると身体が冷えますし、さほど疲れてもいないので、短い休憩ののち一切経山を後にします。ガレ場・ザレ場の下りには慣れているので、難渋している人たちも多かった中をスイスイと飛ばして、あっという間に酸ヶ平の湿原と鎌沼が見えるところまで下ってきました。
一切経山から酸ヶ平の分岐点まで、下りは15分しか掛からなかったので、この後の行程が少し楽になります。
登山者が多かったりして思うようなペースで歩けなかった場合には、鎌沼への寄り道を省略することも考えていたのですが、通行規制の解除直後ということもあってか、幸い登山道が渋滞するような人出はありませんでした。
ということで、分岐点からは当初の計画通りに鎌沼へ向かいます。これまで荒涼とした風景の中ばかりを歩いてきたので、酸ヶ平の穏やかな景色には心が癒されるような気分でした。

ほどなく鎌沼が見えてきました。
鎌沼の西岸には木道が続いていて、周囲を約半周することができます。
鎌沼の畔を歩いている間、ずっと曇っていたのが残念です。
半周もしていると、岸辺の様子には次々と変化があり、対岸に見える山も入れ替わりました。
このあたりで鎌沼は見納めとなりました。木道は次第に岸辺から離れていきます。

鎌沼を離れて少し進むと、浄土平と、これから登る吾妻小富士が見えてきました。
ただ、ここから浄土平への下りが、特にはじめのうちは少々歩きにくかったです。このように木段になっている分には問題ないのですが、そこそこの傾斜があるのに足元の良くない箇所も結構ありました。
戻ってきた浄土平は、今回はただ通過するだけで先へ。
締めは、この吾妻小富士です。最初に見た時と変わらず、観光客の列が途絶えることなく続いていました。

それでは、吾妻小富士への登山、スタートです。標高差は130mほど、ほんのひと登りというところでしょうか。
しかし、稜線に上がるまでずっと続いていた木段が、元々歩幅の合わない段差がある上に荒れていて、歩きにくいことといったら。段と段の間の土砂が流れて障害物のようになっている箇所も多々あって、登山者しか歩かないような道ならまだしも、観光客には少々酷かなと思いました。そろそろ再整備するほうがよろしいのでは?
それでもこちらは、一応は山慣れしている身です。歩きにくさゆえに(単に登るのが辛くて、という人も少なくなかったのかも)あちこちでヨタヨタしている観光客を横目に、5分もあれば稜線に出ました。
火口を挟んだ向かい側に最高点があって、すでにそこまでの標高差の半分は登り終えたでしょうか。どちらからでも回れますが、登りが、距離が長くてアップダウンもある道のりになるよう、反時計回りを選びました。

ここから、火口壁をぐるりと一周する、いわゆる「お鉢巡り」が始まります。まだしばらくの間は、登り坂が主体となっていて、いくつかの小さなコブを越えながら登り詰めていく具合でした。
振り返ると、浄土平がもう結構小さく見えています。その右上が最初に登った一切経山で、左手前ピークの中腹からは、噴気が上がっているのが分かりました。(下の写真にマウスを乗せると噴気孔の位置を示します)
2つめのコブまでは、割としっかり登らされる感じでした。稜線上は砂礫の穏やかな道になっていますし、外側もなだらかな斜面なのですが、火口壁の内側はどこも結構険しかったです。
2つめのコブを越えれば、あとはもう小さなアップダウンを残すのみ。その先に待っていたのは、天空の散策路とでも呼ぶべき、実に気持ちの良い稜線歩きでした。
浄土平から見て向かい側に当たる場所まで回ると、反対側の火口壁越しに一切経山を望む眺めになりました。火山活動の繰り返しが生んだ荒々しい山肌が印象的で、本当はもっとスケールの大きな風景が広がっているのですが、あまりの大きさゆえにカメラに収まりきらず、その規模感をお伝えできないのが残念で仕方ありません。
奥に見える最高点が迫ってきて、目の前にあるコブが、どうやら最後のアップダウンになるようです。
いよいよ次のピークが最高点。到着は間もなくです。

頂上を示す物はありませんでしたが、ここが吾妻小富士の最高点の模様。厳密には右端の岩の頂点でしょうか。
ということで、その岩の上にも立っておきました。岩の頂点を見ると粗いコンクリート製の土台状のものがあり、ボルトだけが上に突き出ていたので、かつて、何らかの標識的なものが設置されていた痕跡かもしれません。
吾妻小富士からも、360度の大展望が楽しめました。こちらは近くに山々が連なる、南側~西側の眺めです。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南側の展望をアップで。写真左奥が安達太良山です。
こちらが北側の展望で、右奥の彼方に霞んでいるのが蔵王連山。手前で白い山肌をさらしているのはシモフリ山で、火山ガスの噴出が盛んなためにこのような景観をしています(このあと、帰りのバスがこの中を通過して行くのですが、この区間では走行中に窓を開けないようにと書かれた道路標識が立っていました)。
東側の眼下には紅葉の素晴らしいエリアが広がっていて、最初にその中をバスで通ってきていたのでした。さらにその先には福島市街が広がっていますが、靄がかかってそこまで見渡せなかったのが残念です。

吾妻小富士で少し休んだら、まだ少し早いですが浄土平に戻ってしまうことにして、お鉢巡りを完成させます。しばらく下ったあたりから、吾妻小富士の最高点を振り返りました。
下りはあっという間で、5分ほどで浄土平への下り口まで来てしまいます(観光客は、慣れないザレ場の下りにあちこちで右往左往したりしていましたが‥‥)。
木段区間に入ると、しばしば観光客の列に追いついて思うように進めなくなりますが、これだけ歩きにくい木段ではそれも仕方ありません。さらに、まだこれから登ってくる観光客も多くて、すれ違いも多々発生しました。
それでも、吾妻小富士の最高点から浄土平までは10分ほど。観光客も多いエリアなので、計画通りに運ぶか心配もしていたのですが、終始いいペースで歩けたので、帰りのバスに1時間の余裕を持って戻ってこられました。
そのおかげで、レストハウスに寄って、軽く腹ごしらえをしたり、お土産を買ったりする時間が取れました。
最後はこのバス停に並んで、帰りのバス(すでに停まっていますが)を待ちます。意外なことに、帰りは全く遅れないどころか、定刻よりも早くに福島駅に着いてくれて、新幹線への乗り継ぎもいたってスムーズでした。

タグ:東北
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八幡平(草紅葉が始まりました) [東北]

2014/09/20(土)

■第291回 : 八幡平(1613m)


紅葉が例年より1週間ほど早く推移して、頂上付近の草紅葉が見頃を迎えつつあると聞いて、この日は八幡平に出掛けてきました。岩手と秋田にまたがる広大な高原は、池沼や湿原が点在する楽園的な景観が魅力で、すっかり観光地と化していますが、バスを少し手前で降りれば、なだらかに連なる山々を静かに歩くこともできます。

7月の早池峰山に続いて今年2度目の東北遠征となった今回は、これまでの山行で最も移動距離が長くなったのですが、それでもどうにか日帰りができてしまうあたりは、もう新幹線サマサマ、というところでしょうか。
さすがに現地では、普段のようにガッツリと歩くほどの時間は取れませんでしたが、八幡平の主な見どころはひと通り見て回れましたし、天気もマズマズで、滅多に行かれない東北の山々の展望も心ゆくまで楽しめました。

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜 05:25-05:52 東京
東京 06:32-08:45 盛岡 08:46-08:56 盛岡バスセンター 09:30-11:22(延着11:35) 茶臼口

(登山行程)
茶臼口バス停   11:35
茶臼岳      12:10-12:20
黒谷地湿原    12:45-12:55
源太森      13:20-13:30
八幡平      14:00
八幡平頂上バス停 14:15

(復路)
八幡平頂上 15:10-17:05 盛岡 17:50-19:38 大宮 19:43-20:14 新宿
新宿 20:21-21:00 相模大野 21:30-21:40 南警察署前


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行先を八幡平に決めてからも、例によって天気予報と体調を見計らっていて、切符の手配は2日前の木曜日。
当然ながら、土曜日の朝の下り東北新幹線を「東京-盛岡」で検索すると、とっくに満席になっています。
でも実際に満席になっているのは仙台までで、仙台から先は空席があったため、「東京-仙台」を立席、「仙台-盛岡」を指定席として、新幹線の特急券を手配しました。こういう場合、3枚組で発券されるんですね。
(本当は前日まで様子を見たかったのですが、前々日に空席が残り僅かになったので、見切り発車しました)
立席といっても、携帯チェアを持参して、入線と同時にデッキの奥を確保すれば、楽に座っていられるのです。

新幹線が盛岡に到着したら、八幡平行きのバスに乗るだけならば、駅前で待っていれば十分です。ところが、そのバスの始発地点である盛岡バスセンターというのが、気になり過ぎてどうしようもない物件でした。
駅前に出ると、ちょうど目の前にバスセンター行きのバスがいたので、駅舎の写真も撮らずに駆け込みます。
これが盛岡バスセンターの外観。あまりの主張のなさに、一見しただけでは交通機関の拠点だと分かりません。
昭和35(1960)年に開業したこの施設、ほとんどリニューアルされることもなく、開業当時の様子を留めているようなのですが、老朽化こそしているものの寂れた様子は全くなく、休日の早朝なのにどの売店も絶賛営業中。
昭和全開のレトロ感に、テンションは上がりまくりです。あれ?、今日って何しに出掛けてきたんだったっけ?
なお、詳しいレポートが「新日本DEEP案内」というサイトにあるので、気になった方は こちらへどうぞ
窓口で乗車券を購入しました(券売機でも同じ物を購入できたようです)。
出てきた乗車券がこれなのですが、全ての情報が両面に同じように印刷されていて、料金箱に入れた時にどちらの面が上を向いても大丈夫という代物でした(赤線は筆者が記入)。
バスの券売機としては、相当レアなものだと後で知りました。保存用に最低区間でも買っておけば良かった‥‥
こちらが乗り場の様子。鉄道の終着駅にあるホームのような構造をしていて、行先別のレーンにバスが頭から突っ込んで停まり、発車時になると誘導員が来てバックさせてから目的地へ向かっていきます。もう何を見ても萌えるものばかりで大変でした。再開発計画があるようですが、次に来た時もこのままの姿で残っていて欲しい。

盛岡バスセンターで八幡平行きのバスを待っていたのは、私ひとりだけでした。盛岡駅では30人近くが乗ってきましたが、観光バス型の大型車両には空席がまだまだあり、盛岡駅からでも余裕で座れたことになります。
乗車から1時間以上が経過して八幡平市に入ると、いよいよ目的地周辺の山並みが車窓から見られるようになりました。右に大きく見えているのは前森山で、八幡平は左端に写っている緑の屋根の建物の真上あたりです。

前置きが長くなりましたが、2時間以上揺られたバスを茶臼口で降りると、ようやく登山が始まります。
この長距離路線は途中までの一般客も多くて、降りる時に車内を見渡すと乗客は10人位に減っていました。ここで降りて歩き始めたのもたった2人で、大半は終点まで行って頂上付近だけを散策する観光客だったようです。
登山口は、バスを見送った方向のすぐ見えるところにありました。まずは茶臼岳を目指して登っていきます。
今回のルートは、普段の半分くらいの運動量しかなく、しかも涼しいから快適に歩けるかも、と甘く見ていたのですが、結構急な木段が出てきたりして、意外にも汗をかかされてしまいました。
登る途中で岩手山を振り返ります。バスの車窓から見ていた時点では、中腹から上がすっかり雲に覆われていたのですが、だんだん雲が晴れてきているようで、今後の展開に期待が持ててきました。
最初のコブを越えると、正面に茶臼岳が現れました。このあと、右側から回り込むようにして取り付きます。
その後も思っていたほど楽な登りではありませんでしたが、とはいえ30分ほどで茶臼山荘に着いてしまったので、終わってみればあっけない登りでした。茶臼山荘は豪雪地域の山小屋らしく、高床式の構造をしています。

茶臼山荘からはひと登りで茶臼岳に到着です。手狭な山頂なので、ここで団体さんと遭遇したら不運でしょう。
茶臼岳からは、南側を中心とした展望が素晴らしく、岩手山(まだ雲の中でしたが)と八幡平を結ぶ山並みをズラリと見渡せて爽快だったほか、眼下に広がる美しい森のあちこちで光っている湖沼群の水面も綺麗でした。
下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

茶臼山荘に戻って八幡平への道に入ると、石がゴロゴロした歩きにくい路面に変わります。ほとんど平坦に近いくらいの緩やかな下りなので、歩きにくさはさほど苦になりませんが、とても快適には歩けません。
しかも、それが結構長く続きます。この区間は、左右を背の高い樹木に遮られていて、見られる景色もほとんどないので、注意が必要な足元ばかりを見ながら、ただ淡々と歩くことに終始した感じでした。
石ゴロの道がいつまで続くのかと嫌気が差してきた頃、唐突に景色が開けて小さな湿原が現れました。
評判通りに、見頃を迎えようかという草紅葉が黄金色に輝き始めていて、この先の景色にも期待が高まります。
やがて木道が始まって、いくつかの小さな湿原の脇を抜けていきます。

草紅葉に染まる黒谷地湿原に到着しました。思っていたよりも、こぢんまりとした湿原です。
このあとさらに、もう少し深みのある色合いに変わるのでしょうが、これでも十分に綺麗です。
南へ分岐する「黒谷地湿原」バス停への道が、しばらく湿原の中を進むようなので、少し寄り道してみました。
すると、ところどころに池塘があるなど、変化のある景色が楽しめました。
ただ、5分も進まないうちに湿原が途切れて、前方には車道が見えてきたので、ここまでで引き返します。

分岐点まで戻って先へ進むと、そこから道は再び登りに変わりました。
途中には、深い溝のようになった箇所も。7月の長雨と、8月の台風による豪雨で、登山道がかなり掘られてしまったようで、このあたりは少し歩きにくかったです。
一旦傾斜が緩むと、お花畑とされる草原の横を通過していきますが、さすがにこの時期になると、リンドウが目立っていた程度だったようです。ところでこの場所だけ、草原の側にずっと柵が続いているのは、こうしないと踏み荒らして花をダメにしてしまう不届き者が多いからなのでしょうね。

源太森の頂上は、メインの登山道からは僅かに外れていますが、分岐点にはしっかり道案内が立っていました。
茶臼岳よりもさらに狭い山頂からは、ほぼ360度近い展望があります。ただし顕著なピークではないため、特に丘のようになだらかな地形をした南側は、樹木に邪魔をされてスッキリとした眺めはありませんでした。
歩いて来た方向を振り返ると、さきほど登った茶臼岳が、ポコンと出っ張った山頂を見せていました。
これから向かう八幡平も一望できて、なだらかな高原が広がっている様子が良く分かる眺めでした。

源太森を後にして、ほどなく始まる木道を進んでいくと、八幡沼の北側に広がる湿原が目前に迫ってきました。
いよいよ湿原内の木道に入ります。ここが最も楽しみにしていた場所で、せっかく草紅葉もいい具合に色付き始めていたのに、ここにいる間ずっと曇っていたことだけが残念でした。
木道の左手側では、ずっと八幡沼が見え隠れしていました。
こんな美しい景色の中を歩けるのが、とても贅沢な気分です。
でもやっぱり、日差しを浴びて黄金色に輝く姿を見たかったかな。
ところどころには、小さな池塘も現れました。
人が少ないのも良かったです。バスを利用する上での制約から、ここを歩く時間が午後にならざるを得なかったのですが、それがむしろ幸いしたらしく、観光客の周回ルートに合流した先でも、こんなに静かに歩けるとは。
途中にあった分岐道を入ると、少しの間だけですが八幡沼の畔を歩くことができました。
まだ湿原は続きます。それにしても、この湿原を歩いている間は一瞬たりとも晴れなかったなぁ。。。

湿原を抜けた先には、陵雲荘が建っていました。
陵雲荘のデッキから見た八幡沼です。
陵雲荘を過ぎると、道は敷石風の遊歩道に変わって、あとはバス停までずっと遊歩道が続きました。
最短距離の周回ルートに入ったこともあってか、次第に観光客の姿が目立ってきます。
ガマ沼分岐の展望デッキから、八幡沼や陵雲荘を振り返ってみました。
すぐ下にあるガマ沼は、割と小さいのですが、デッキからでは近すぎてカメラに全容が収まりませんでした。

八幡平の最高点が見えてくると同時に、なにやら物々しい雰囲気が漂ってきました。
展望台が老朽化したため、改築するための工事が行われていたのです。工事は11月まで続くとのこと。
元々、ただ展望台があるだけの場所ですから、その展望台に登れないとなれば、こんな殺風景な場所に用はありません。写真だけ撮ったら、そそくさと通り過ぎました。百名山なのに、登頂がこんなに味気ないなんて。

八幡平の最高点から、駐車場やレストハウスへ向かう道に入ると、途中でめがね沼を見下ろしていきます。
次に見られるのは鏡沼で、文字通り鏡のような水面が、対岸の景色をきれいに映していました。
そして鏡沼の畔では、わずかに色付いた樹木も見られました。この日に見られた唯一の樹木の紅葉です。
来月になると、あたり一面がこんな色に染まるのでしょうね。

駐車場やレストハウスの建物が見えてきました。この日のゴールは間もなくです。
八幡平山頂レストハウスの売店で、帰りのバスのチケットとお土産物を購入しました。
路線バスと自然散策バスのバス停は、八幡平山頂レストハウス1階の売店側の出口前にありました。
多くの人が行き交う駐車場側ではなく、割とひっそりとした場所になります。予めウェブで場所を確認していたから良かったものの、そうでなければ、バス停は一体どこにあるのかと探し回ることになったかもしれません。

駐車場の奥に展望台があったので登ってみると、周囲を360度見渡せて壮観でした。こちらは、先程まで歩いていた八幡平の頂上です。北側はこの頂上に遮られて、さらに向こう側が見られなかったのでしたが。
その北側を除けば、残る東~南~西側は広い範囲をぐるりと見渡せるので、なかなか迫力のある眺めです。あまりにパノラマ写真が横長になったので、ガイド付きの縮小版は2枚に分けることにしました。
まずは東~南の範囲です。なかなか雲が取れなかった岩手山が、ようやくスッキリと見えてきていました。
続いて南~西の範囲です。こちらでは、茶臼岳からは見えていた秋田駒ヶ岳が、すっかり霞んでしまいました。
以上の2枚が山名ガイドを入れた縮小版で、両方を合わせた大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

帰路は普通の路線バスではなく、「八幡平自然散策バス」を利用しました。こちらも路線バスと同様に、大型の観光バスでの運行です(この写真は、途中の八幡平ロイヤルホテル前で時間調整した時に撮ったもの)。
ただ、八幡平頂上からの乗客は10人ほどしかなく、しかも藤七温泉で何人かが降りたので、盛岡駅までの利用者はわずかに6人。土曜の帰りの便で宿泊客に縁が無いとはいえ、大型バスにしてはあまりに寂しい車内でした。
八幡平ロイヤルホテルは、玄関の正面に岩手山を見上げるような配置で建っていました。
岩手山は、いつの間にか頂上が晴れ渡っていて、1日の中でこの時が最もきれいに眺められたのでした。
自然散策バスは、さらにさくら公園に寄ってトイレ休憩を入れていきます(ダイヤでそう設定されている)。
さくら公園の裏手からは、岩手山の全容がスッキリと眺められました。
こんな堂々とした姿を見せられたら、今度は登りたくなってしまうではないか。
さくら公園内には「松尾八幡平ビジターセンター」もあったので、少しお邪魔していきます。
ビジターセンター内には、観光案内や自然ガイドの展示などのほか、こんなジオラマもありました。
左上は岩手山で、この日歩いた八幡平は右下のあたりです。
自然散策バスは、結構あちこちに立ち寄って、いつまでも八幡平エリアから離れません。果たしてダイヤ通りに盛岡駅に着くのかなと心配していたら、なんと最後は東北自動車道に入って一路盛岡駅を目指すのでした。
東北道に入ると、はじめは岩手山を正面に見て走ります。そして、盛岡駅にはほぼ定刻での到着となりました。

タグ:東北
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早池峰山 [東北]

2014/07/26(土)

■第288回 : 早池峰山(1917m)


今回は、早池峰山の固有種であるハヤチネウスユキソウに会いに、1泊2日で早池峰山に出掛けてきました。
公共交通機関で登ろうとしたら、盛岡駅からの直通バスが運行されている初夏の2ヶ月間しかチャンスがない山で、その中でもこの花の季節と重なる7月に照準を当てて、もう何年も前から行く機会を窺っていたのです。

この日は前日までは好天が予報されていて、それを見極めてから出発を決めていたのですが、なんと下界は晴れていても、山の上はガスガスで展望ゼロ。満を持して出掛けた割には、少々残念な結果となりました。
それでも、最大のお目当てのハヤチネウスユキソウは見られましたし、下りに長いコースを選択したおかげで歩き応えのある山行になって、充実した1日が送れたと思っています。

(往路)
[前日] 市営斎場入口 15:18-15:34 相模大野 15:39-16:17 新宿
    新宿 16:27-17:08 大宮 17:46-19:33 盛岡(泊)
[当日] 盛岡駅前 07:10-08:54 小田越

(登山行程)
小田越バス停 09:10
早池峰山   10:50-11:05
六合目    12:50-13:00
平津戸登山口 14:00-14:05
平津戸バス停 14:50    (平津戸駅前)

(復路)
平津戸 15:13-16:20 盛岡 17:06-19:26 大宮
大宮 19:34-20:04 新宿 20:11-20:49 相模大野
相模大野 21:05-21:20 南警察署前


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この日は盛岡駅で朝を迎えました。
早めにホテルをチェックアウトして駅前に出てみると、バス乗り場(ちょうど早池峰登山バスのバス停が写っています)にはまだ誰もいませんでした。時計の針が指しているのは6時ちょうど、さすがに早過ぎたようです。
バス乗り場には、6時20分頃から人がチラホラ現れ始めて、35分頃から少しずつ列ができていきました。
50分頃にはこんな状況となっていて、最終的には30~40人くらいが列に並んでいました。

季節運行の「早池峰登山バス」に約2時間揺られて、終点の小田越までやって来ました。
計画では、途中の河原の坊でバスを降りて登り始めることにしていたのですが、好天が予報されていたのに、現地に着くとガスガスで、山の姿は少し上までしか見えません。このため、なるべく早いうちに登頂しておこうと、短いルートに変更して、一番高い登山口まで運んでもらったのでした。
小田越バス停のすぐ先には、この高山植物取締監視員詰所があって、ここでトイレを利用させてもらいました。
早池峰山では、携帯トイレの利用が呼びかけられています(登山口以外の場所には携帯トイレ用のブースしかない)。そこで、登山口で販売されていた携帯トイレを購入しました。結果的には、下山ルートが長丁場だったのに、酷暑で大量の汗をかかされたためか、登山口まで持ってしまって、未使用のまま終わっていますが‥‥。

小田越からの登山道は、はじめは緩やかな木道で始まりました。
木道がすぐに終わって山道に変わっても、もう少しの間は傾斜が穏やかです。
登山道脇のところどころには、熊除けに鳴らすためのドラム缶とバチがセットで吊されていました。
登山口からわずか10分少々の場所に、携帯トイレ用のブースがありました。
このあとは、頂上に着くまでありませんでしたから、途中に1箇所だけ設置された貴重なブースです。
なにも、トイレのある登山口のすぐ近くを選ばなくても、もっと適当な場所がなかったのでしょうか。

ほどなく登山道は蛇紋岩の岩礫の道に変わり、傾斜も増していきます。
次第に樹木もハイマツなどの低木が主体になって、景色がどんどん開けてきますが、ガスのため視界が狭いのが残念です。しかも、かなり湿っぽいガスだったので、雨に変わったりしないかと気を揉みました。
下のほうでは、ミネウスユキソウが多く見られました。こちらは早池峰の固有種ではなく、ほかの山でもそこそこ見られるものらしいのですが、私にとっては見るのがこの日が初めてでした。

ここで、先行していた団体さんに追いついてしまい、一旦は気分がブルーになりかけたのでしたが‥‥。
なんと、周囲の状況に気配りのできる方々ばかりが揃っている、稀に見る気持ちの良い団体さんでした。
私を含めて、ほかの登山者が追いつくたびに、皆さんで声を掛け合って、スムーズに道を譲って下さいます。
先頭や最後尾にだけ、周囲を見られる方がいる、という団体ならば少なくないのですが、隊列の中央付近の方々にも次々とお気遣い頂いて、かえって恐縮してしまいました。団体さんの鏡のような方々だったと思います。

ついにお目当てのハヤチネウスユキソウが現れました。
ただ、標高を上げるとともに、ガスが深まった上に、強風が終始吹き荒れるようになっています。
被写体が常に風に揺れている中でシャッターを押すしかなく、花の写真を撮るには少々厳しい状況でした。
流れるガスを受けて、綿毛状の花びらに水滴が付いたものもありました。
これは現在の気象条件ならではの光景なので、晴天だったら見られなかったでしょうね。
ただ、ピントが合っておらず、そう言葉で説明を添えないと分って頂けない写真なのは、ご愛嬌ってことで。

中腹から上では植物が少なくなり、岩山の様相を呈してきます。また、湿っぽいガスが強風で間断なく吹き付けるため、それがメガネに当たって結露して、だんだん前が見にくくなってきました。これは初めての体験です。
単独の株が多かったハヤチネウスユキソウですが、中には数株がまとまって咲いている場所もありました。
行く手にはいくつもの巨岩がそそり立って、なかなか迫力ある景色に変わります。
五合目を通過します。ここまでが結構長かったという印象でした。
そしてガスは深まる一方で、この頃には視程が100mほどまでに狭まっていたほか、メガネの結露がいよいよ激しくなって、度々メガネを外して拭きながらでないと進めなくなりました。

上部では傾斜もキツくなって、手を添えて登るような岩場も現れました。
それに続いて一枚岩を登りますが、傾斜は垂直には全く及ばず、しかも鉄ハシゴを登るだけなので楽勝でした。
登り終えた鉄ハシゴを上から覗き込んでみました。こうして写真にすると、ほとんど垂直に見えてしまうのですが、実際は結構斜めなので、あまり怖さはありません。
その後は間もなく、稜線に上がります。縦走路の分岐点を左折すれば、頂上まではあとわずか。

稜線上に出てしまえば、あとは概ね穏やかな道です。ちょっとした平坦地もあって、お花畑となっていました。
ただ、このすぐ先には頂上があるはずなのに、ここまで来てもまだ見えてきませんでした。
紫色の花はミヤマシオガマでしょうか。白いほうの花は良く分からないのですが。
次に現れる分岐点では、このあと下る予定の平津戸へのコースを右に見送って直進します。
ガスの中の頂上は、結局登頂する1分前まで姿を見せることはありませんでした。
ようやく頂上の建物が見えてきたのは、頂上のすぐ裏手まで来て、最後の登りに差し掛かった時です。

最後の坂を登り切ると、避難小屋の前に出ました。右奥で霞んでいる早池峰神社奥宮のある場所が頂上です。
早池峰山の頂上には、早池峰神社奥宮と一等三角点がありました。
安全祈願の宝剣がたくさん奉納されています。
狭い頂上部ですら、端から端までを見渡せないほどのガスで、当然ながら展望は全くありませんでした。
しかし、これまではずっとガスの中を登ってきたのに、このとき一瞬だけ薄日が差して明るくなりました。
ただそのあとは、またすぐに曇ってしまいましたし、あまり長居しても状況は変わらなそうです。
中腹にいた頃ほどではないにせよ、風も強くて落ち着かないので、頂上での滞在は15分ほどで切り上げました。

先程の分岐点まで戻って、門馬・平津戸へ下るコースに入ります。あまり歩く人のいないコースで、分岐点にはこんな注意書きも掲示されていましたが、どんな状況なのでしょうか。
すると当分は、岩の間を縫うような道が続きました。結構な傾斜を下る上に、やや湿った道で滑りやすい岩も多く、足の置き場には常に気を遣います。1歩1歩を慎重に運ぶしかなく、調子良く下ることはできません。
大岩が積み重なった場所も多く、大きな段差を下ることもしばしばで、足への負担も大きかったです。
下って行くと、時折日が差すようになりました。上空には青空も見られるようになっています。
ならば、頂上でもう少し粘っていたらどうだったのだろう、とそれ以降ずっと考えていたのですが、翌日になってヤマレコでほかの方の記録を見る限り、頂上はずっとガスガスのままだった模様でした。

8合目に着く頃には、もうスッキリとした晴れ間が続くようになっていました。
しかも、登ってきた南斜面と違って北斜面では風もほとんどなく、こうなると暑くて仕方ありません。
滑りやすくて気疲れする急な下りの連続ということも手伝ってか、尋常ではない量の汗が吹き出してきますし、早くも足がガクガクし始めていたので、ここで10分ほど足を休めていきました。
8合目では、岩手県北部の山々がきれいに見渡せて、この日唯一の展望らしい展望を楽しめています。
その後も7合目付近までは、厳しい下りが続きましたが、その先で傾斜が収まると、岩道から土の道に変わって、グンと歩きやすくなりました。深い森の中で、フカフカの道を踏みしめるのは、とても心地良かったです。
6合目まで下って来ました。ここが門馬コースと平津戸コースの分岐点になります。
頂上からここまでは、いずれも単独行の男性4人とすれ違っただけで、心細いくらいに静かなコースでした。

6合目からは、平津戸コースに入るのですが、ここは思案のしどころでした。
まず事前調査の段階では、門馬コースが現在もきちんと整備されているのに対して、平津戸コースは近年整備されなくなっているとの情報を得ていました。でも同時に、道はまだしっかりしていて、テープによる案内もあり、問題なく歩けるとされていたので、それで平津戸に向かう計画としていたのです。
ただ、それらがいずれも昨年時点の情報だったため、最新の状況が分からず不安でした。
そこで、先程までにすれ違った4人の方々とそれぞれ会話をさせて頂いたところ、なんとその中に平津戸から登ってこられた方が1人いらしたので、道の様子を伺ってみたところ、「道がなくて迷った」「歩けない」というお返事があり、それで少なからず心が揺らいでいたのでした。

最終的な判断は現地で下すことに決めて、6合目の分岐点から平津戸コースを見てみると、普通に明瞭な道が続いている様子で、荒廃している気配は全くありません。それを見て、迷わず平津戸に向かうことにしました。
平津戸への道はすぐに急降下して、小さな沢を苔むした木橋で渡ります。
渡っている間、靴底からブヨブヨした感触が伝わってくるのは、厚い苔に覆われているためだと思うことにしたのですが、橋本体が朽ちかけている可能性も考えられて、あまり気持ちの良いものではありませんでした。
その後は細いながらも明瞭な道が続きます。それなりの間隔でピンクテープも付けられていますが、道自体が明瞭で迷いようがないので、テープを目で追う必要には迫られませんでした。
しばらくすると、一旦林道に出て、少しだけこの林道を進みます。ここには私製の案内板が置かれていました。
林道を2~3分歩くと、再び道案内が出てきて、ここで林道を離れて再び山道に入ります。

その先も、引き続き道は明瞭でした。やや草深い箇所はありましたが、それでも道が見えなくなるような状況にはなりません。思いのほか普通に、何の問題もなく歩けてしまって、少々拍子抜けでした。
長かった平津戸コースもいよいよ終盤に差し掛かると、苔むした丸木橋が現れます。
そこそこ太さがあるとはいえ、足を滑らせたら即、沢にドボンなので、ここは少し緊張させられました。
丸木橋を渡り終えて振り返ったところです。渡り切る寸前に、1段下の細い木(この写真でも手前に写っています)に移る必要があり、段差が大きくて飛び乗る具合なので、少しドキドキしました。
その後は穏やかなササの中を進みます。このあたりは、平津戸に下る分には全く問題ないのですが、逆に登ってきた時に、道標がなくて不親切な分岐が2箇所ほどありました。上ですれ違った方はそこで迷われたのかもしれませんが、一応テープがそれとなく分かるように付けられていたので、そのサインを見落としたのでしょうか。
次に林道に出たところが登山口でした。結局この平津戸コース、6合目の分岐点以降で道標があったのは、途中で林道に出入りする2箇所とこの登山口だけで、あとはテープによる目印しかなかったことになります。
とはいえ、これだけ道が明瞭でしたから、まだ当分は問題なく歩けるのではないでしょうか。

その後はしばらく林道を進みますが、その林道が最後まで未舗装で、しかも路面が柔らかめだったので助かりました。頂上から1300mを下って足が疲労していたので、もし舗装道路だったら辛かったことと思います。
林道脇にずっと沢が寄り添っていたお陰で、少し涼しかったですし、時々美しい景色が見られたりもしました。
国道に出て右折したら、すぐにゴールの平津戸駅が見えてきます。
JR山田線の平津戸駅は、小さな待合室があるだけの無人駅。なんと昼間は停車する列車が1本もありません。
待合室の中を見ても、時刻表・運賃表のほかには、椅子が4席とゴミ箱があるだけでした。
それにしても凄い時刻表です。下りの列車が夕方まで1本も来ないなんて。
ただ山田線には、この駅に停まらない列車はもう少しあって、現に私が滞在していた20分ほどの間に、上下線とも各1本ずつの快速列車が通過していきました。
ホームに出ても何もなくて、いかにもローカル線らしい佇まいです。
でも実は、もっと背中側に下がれば駅名標があったらしく、それを見逃してしまったのが心残りでした。
もしも下山がもう少し遅かったら、山田線にも乗ってみたいところでしたが、登りを短いコースに変更した上に、不安材料のあった下りもすこぶる順調で、盛岡行きの列車が来るまで2時間もあります。
周囲に何もない駅で、さすがに2時間は潰せないので、駅前のバス停で盛岡駅行きのバスを待ちました。

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