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御在所岳 [関西]

2017/06/03(土)

■第354回 : 御在所岳(1212m)


この日の行先は、三重と滋賀の県境をなす鈴鹿山脈の盟主、御在所岳。花崗岩が露出する荒々しい山肌が、標高が低いながらもアルペン的雰囲気を存分に醸し出して、登山者を魅了している山です。
頂上ではほぼ360度の展望が得られ、観光地でもある湯の山温泉からロープウェイを利用することで、労せずしてその大展望を楽しめることから、多くの観光客も訪れています。
今回は、険しい岩場でちょっとしたスリルを味わいながら、様々な巨岩が現れて目を楽しませてくれる中道コースを登り、沢沿いの裏道コースを下る形で、周回コースを組んで歩いてきました。

(往路)
古淵 05:15-05:41 新横浜 06:00-07:24 名古屋
名鉄バスセンター 07:55-09:02 三交湯の山温泉

(登山行程)
三交湯の山温泉バス停 09:05
中登山道口      09:45
山上公園       11:50
御在所岳       12:05-12:25
山上公園       12:35
国見峠        12:50
藤内小屋       13:30-13:40
湯の山温泉駅     14:20-14:30 (御在所ロープウエイ)
三交湯の山温泉バス停 14:35

(復路)
三交湯の山温泉 14:45-14:52 湯の山温泉 14:59-15:25 近鉄四日市
近鉄四日市 15:28-16:03 近鉄名古屋 → 名古屋 16:26-17:51 新横浜
新横浜 17:58-18:23 古淵


大きなマップで見る

今回は、新幹線を名古屋で下車したのち、珍しく高速バスを利用するため、名鉄バスセンターに移動しました。
名古屋と湯の山温泉を結ぶこの路線、高速道を経由することから一応は高速バスに分類されているものの、高速道を走っている時間なんて30分あるかどうか、目的地までも約1時間で到着してしまう短距離路線です。
それゆえか、事前の予約制度がなく、運賃も現金のほか交通系ICカードで支払えたりと、使い勝手は路線バスと全く同じ。鉄道と路線バスを乗り継ぐより200円ほど割高なのですが、観光バス仕様の車両で乗り心地が良さそうなので、快適性を重視して往路では敢えてこちらを選びました。(なお乗車時に、御在所ロープウェイや日帰り入浴などの割引券をもらえるため、それらを上手く利用すると、その割高分をあらかたチャラにできるようです)
バスセンターからの乗客数は20~30人といったところで、席にはまだまだ余裕がありました。その中で、乗り場に2番目に並んで待っていたので、最前列に座って前方の景色を楽しみながら移動できています。
バスは定刻で三交湯の山温泉バス停に到着しました。ここから時計回りの周回コースで御在所岳を巡ります。

はじめは、旅館や土産物屋などが点在する温泉街の中を進みます。
温泉街の外れまで来たところで、大石公園の公衆トイレを利用しました。
その後は沿道の建物も減って、やや単調な車道歩きに。しかも結構な坂道で、ここでひと汗かかされました。
ここでようやく舗装道路から離れて、山道を歩けるようになります。
鈴鹿スカイラインの下をくぐって、その先に見えてきた鉄階段を登ったところが‥‥
御在所岳・中道の登山口でした。近くに駐車場があるので、ここから人が増えた感じです。

登山道は、序盤から花崗岩が露出した荒々しい斜面をグイグイと登っていきます。手を添えて登るような箇所も結構あって、雰囲気は多分にフィールド・アスレチック的です。
時にはアクロバット的な動作を要求されたりしますが、楽しく登れるのであまり苦にはなりません。ただ、度々の大きな腿上げで筋力が酷使される感じがあって、疲れを溜めないよう意識的にペースを抑えて登りました。
御在所岳の頂上はまだ遙か上に見えます。頂上の真下に写っている白い鉄塔状のものは、ロープウェイの支柱。
たまに、土の上を歩ける穏やかな雰囲気の区間が現れるとホッとします。
ほどなく、ロープウェイの索道の直下を通る地点に出ると、下界の方向が開けました。写真では分かりにくいですが、市街地の先には伊勢湾が見えてきています。
登るにつれて、登山道の周囲には巨岩が増えていきます。珍しい形をしたいくつかのものには名前が付いていたりして、アトラクション的な感覚を味わうことができ、視覚的にも楽しめる登山道でした。

名前が付いている最初の巨岩は、4合目への到着とともに現れました。
それがこの「おばれ岩」。「負ばれ岩」とも書き、巨岩同士で「おんぶ」している様子から名付けられたとか。
登山道ももちろん、岩道を歩く区間がほとんどになっています。
5合目まで来ても、御在所岳の頂上はまだまだずっと高い所に見えていました。
5合目でも下界の展望が開けていました。この写真なら、伊勢湾が見えている様子が伝わるでしょうか。
続いて現れたのがこの「地蔵岩」。近くから見ているうちは、あまり大きな驚きはなかったのですが‥‥
少し登った所から見下ろしてビックリ、まさか、こんな具合になっていたとは。自然の成り行きでこうなっていることがまず不思議ですし、よくもまぁ、こんな状態でバランスが保たれているものです。
この、いかにも岩山という風貌の頂上に、少しずつ近付いていることで、ますます気分が盛り上がります。

さて、難所とされる「キレット」までやって来ました。この先に、少し険しい岩場の下りが控えているのです。
下り口まで来てみたら、なんだか渋滞していて、一向に先に進まなくなりました。
てっきり狭い岩場ですれ違いに時間がかかっているのかと思ったら、単になかなか下れないグループがいるだけではないですか。風が強かったので、開けた場所で立ち止まっていると身体が冷えてしまい、みんなで「寒い寒い」と言いながら、そのグループが下り終えるのを待っている状況でした(立ち往生は10分くらい続いたかと)。
そのグループさえ下れてしまえば、後続の人たちは割とスムーズに通過して、すぐに自分の番になります。実際に下ってみたら、クサリを使う必要も、斜面側に向き直る必要もなくて、特に難しくは感じなかったのですが、足場がいくらか離れている箇所があったので、身長が低い女性の方などには少し不利だったのかもしれません。

大岩の間を縫うような道を、ひたすら登り続けます。
7合目は「カモシカ広場」でした。1日を通して、カモシカには会えなかったけれど。
登山道はずっとこんな感じ。楽しんで登れてはいますが、これだけ続くと足が重くなってきました。

8合目は「岩峰」です。
いくつもの大岩が折り重なるようにして、岩峰を形成していました。
岩峰は右に巻いて進みますが、その際に下がスッパリと切れ落ちた、高度感のある岩のテラスを通過します。ここはクサリを伝うことで、危険を感じない程度にスリルだけを味わいながら歩けるようになっていました。
  ※少し先にも同様のテラスが見えていて、下の写真にマウスを乗せるとその場所を黄色い円で示します。
上の写真で少し先に見えているテラスです。そこは広さがそこそこあって、上に立ってもあまり怖くなさそう。
先のほうのテラスに着いて、通過してきた手前のテラスを振り返りました。
  ※手前のテラスは、2つの狭いテラスが連続していて、下の写真にマウスを乗せると通過経路を示します。

その先も、少しきつい登りがしばらく続いたのち、割と唐突に遊歩道に出ました。
このあたりはもう山上公園の一角で、ロープウェイで登ってきたらしい観光客も加わって、一気に人が多くなります。遊歩道を進んでいくと、ほどなく前方に頂上付近が見えてきました。
山上公園内では一旦少し下ることになって、鞍部にあるレストラン「アゼリア」などの前を通っていきます。
レストランの前を過ぎると再び登りに変わって、最後はスキー場のゲレンデを登っていきます。
ゲレンデを登る途中で振り返った景色です。見えているピークには登っていませんが、そこにロープウェイの山上公園駅があって、そこからさらに観光客向けのリフトが、今まさに目指している頂上まで運行されています。

御在所岳の三角点ピークに到着しました。ひときわ目立つ三角点の標識前は、写真の順番を待つ人でいっぱい。
時間的には前後しますが、ほかの人が入らない三角点標識の写真を撮れたのは、最高点を往復した後でした。
ところでこの標識、記載内容には問題があります。三角点の標高は1209.41mなのに、標識には最高点の標高らしい1211.95mが書かれているのです。これが単に御在所岳の頂上を示す標識ならば、すぐ近くにある最高点の標高を書きたくなる気持ちもまだ理解できますが(個人的にはそれも間違いだと思いますが)、「三角点の標識」である以上、三角点自体の標高を書くべきではないでしょうか(別の地点の標高を三角点の標高にすり替える理由が分かりません)。しかも北緯・東経の値も国土地理院の観測値と全然違っていて、もういろいろと意味不明。
先に書いてしまいましたが、御在所岳の最高点はこの三角点ピークではなく、少し奥に見えているもうひとつのピークで、三角点ピークからはほんの1~2分で歩ける距離にあります。

というわけで、きっちり最高点ピークにも訪れておきました。
これこそ、1212mを正当に名乗る権利があるのに、三角点標識に遠慮してか標高には触れず謙虚な標識でした。
最高点ピークから、三角点ピークと、ロープウェイの駅があるピークなど、山上公園一帯を振り返りました。
最高点では、ほぼ360度の大展望を楽しめて、「望湖台」という名の通り琵琶湖を望むこともできました。なお、ここは一般に「望湖台」と紹介されているだけで、最高点であることは積極的には案内されていないようです。

まず最初の展望写真は、伊勢湾を見下ろす東南側。先程までいた三角点ピークなども見えています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
次いで、琵琶湖や雨乞岳などを見渡せた西側の展望です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして北側には、鈴鹿山脈北部の代表格である御池岳や藤原岳が見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

最高点から山上公園内を引き返して、下山はここから裏道コースに入ります。
裏道コースを下り始めて10分ほど、十字路になっている国見峠を右折すると、そこから下りが本格化します。
裏道コースも、岩が露出した道をグイグイと下る具合です。中道のような険しさはなく、アクロバット的な動きを要求される箇所もありませんが、決して穏やかな下りではないので、楽には歩けません。
下ってきた岩道を振り返りました。足の置き場を慎重に選んで歩くような場所が随所にあって、得手不得手が分かれそうな道です。今回、中道の登りではペースを抑えたこともあって、後続の人に先を譲ることも多かったのですが、こういう下りには慣れているので、先行者を次々と抜かして快調に下って行きます。
ここで沢を横断すると、対岸にも同じような岩道がずっと続いていました。
グングン下ってしまったことと、道の様子にさほど大きな変化がなかったこともあって、あまり写真を撮らないうちに藤内小屋の前まで下ってきました。
藤内小屋は建物が何棟もあって、結構立派な小屋でした。神経を遣う岩道の下りをすっ飛ばしてきたことで、下りなのに大汗をかいていたので、小屋の前のベンチで少し休ませて頂きます。

藤内小屋を過ぎると、しばらくは林間の穏やかな道を歩くことができます。
このような木橋も何度か渡りました。
ほどなく、行く手に大きな砂防堰が現れて、道の続きが途絶えたようになります。ここは砂防堰の中を突破するのが正解なのですが、事前にヤマレコなどの記事から情報を得ていなかったら、果たして自力で解決策を見い出せたかどうか定かではありません。分かりにくいのに何の道案内もなかったので、ここは不親切だと思います。
砂防堰を通過すると、間もなく車道が現れて、少しの間その車道を進みます。
車道歩きは鈴鹿スカイラインまでで、そこから再び山道に入りますが、この直後にまた分かりにくい箇所がありました。先行者ともども分岐を見逃して、違う方向に進みかけてしまい、少々時間をロスしています。
その後は遊歩道風の穏やかな道に変わって、温泉街が近くに見下ろせる場所まで下ってきました。

バス停に向かう前に、ロープウェイの駅に寄り道しました。併設の土産物店(写真左側)が、この界隈で一番品揃えが充実していそうだったからです。でも結局、購入したのはド定番の「湯の山僧兵餅」だったのですが。
三交湯の山温泉バス停まで戻ってきました。帰路は、路線バスと鉄道を乗り継いで名古屋に向かいます。
湯の山温泉駅で近鉄線に乗り継ぎます。ローカル線らしいちょっと鄙びた雰囲気が、山歩きの余韻を残したままにしてくれて、旅の締めくくりには相応しく感じました(四日市で幹線に乗り換えるまでの間でしたけれど)。

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