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一切経山・吾妻小富士 [東北]

2016/10/22(土)

■第336回 : 一切経山(1949m)・吾妻小富士(1707m)


この日は、つい4日前(10月18日)に火山活動の沈静化に伴って登山道の通行規制が解除され、浄土平から登れるようになったばかりの一切経山を、吾妻小富士とセットで登ってきました。

活火山らしい荒涼としてダイナミックな山並みが、圧倒的な迫力で訴えかけてくる中、点在する湖沼群が神秘的な色彩で優美に魅了してくるという、素晴らしい景観の数々に、この場所がすっかり気に入ってしまいました。
しかもこれらが、4時間ほどの軽めの山歩きで気軽に楽しめるので、皆さんにも自信を持ってお薦めします。

吾妻小富士から、眼下の火口越しに一切経山を振り返ったところ。こんな迫力満点の景色があるかと思えば‥‥
『魔女の瞳』の異名を持つ五色沼。一切経山から見下ろすこの景色が、この日一番の楽しみだったのでした。

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 05:53-06:27 新宿
新宿 06:39-06:52 東京 07:12-08:48 福島
福島 09:50-11:30 浄土平

(登山行程)
浄土平バス停 11:40
一切経山   12:45-12:55
鎌沼     13:20
浄土平バス停 13:55
吾妻小富士  14:20-14:30
浄土平バス停 14:40

(復路)
浄土平 15:40-16:50 福島 17:01-18:10 大宮
大宮 18:13-18:44 新宿 19:00-19:34 相模大野
相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る

東北新幹線の車内に福島駅到着のアナウンスが流れる頃、車窓にこれから向かう東吾妻の山々と安達太良連峰が現れました。写真右半分が東吾妻の山々で、左端が安達太良連峰です。
東吾妻の山々を拡大しました。ピントが少しボケてしまいましたが、吾妻小富士は火口を一周するお鉢の様子も良く見えていました。(下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します)

福島駅からバスに揺られること約2時間、磐梯吾妻スカイラインのほぼ最高点に当たる浄土平に到着しました(右端が乗ってきたバス)。広大な駐車場は観光バスやマイカーで埋まり、多くの観光客で賑わっています。
浄土平周辺では紅葉の見頃を過ぎていましたが、標高を下げればまだまだ楽しめる場所もあるので、磐梯吾妻スカイラインも渋滞するほどではなかったものの、交通量はかなり多かったです。
振り返れば、最後に登る予定にしている吾妻小富士が、もう目と鼻の先にあります。1時間ほどで周遊できるとあって、観光客が列をなして登っている様子が手に取るように分かりました。
浄土平へのバスの運行は1日2便しかなく、それを利用する限り滞在時間を4時間しか取ることができません(なぜ、もっと余裕を持って観光できるダイヤにしないのだろう?)。しかもバスの到着が10分ほど遅れたので、慌ただしく支度をして歩き始めます。一切経山への登山道は、広い駐車場の一番奥から始まっていました。

登山道に入りました。こんな穏やかな道なのは、最初のうちだけです。
目指す一切経山は、この山に隠れてまだ見えていません。以前はこの山に登山道が付けられていて、それが一切経山への近道だったのですが、この山の中腹にある噴気孔から火山ガスが噴出していることから通行止めになっていて、現在は左側から回り込むようにして一切経山へ向かう形になっています。
すぐに、岩がゴロゴロした歩きにくい道に変わりました。段差の大きな箇所も多くて、なかなか疲れます。
しばらくして振り返ると、吾妻小富士を見下ろせる高さになっていました。写真左端はバスを降りた浄土平で、一切経山を登り終えて浄土平に一旦戻ったのち、見えてきた吾妻小富士頂上のお鉢巡りをする予定です。

やや急な登山道をひとしきり登ると、突然平坦地が現れて視界が広がりました。
このあたりが湿原が広がる酸ヶ平で、湿原を見ると草紅葉が終わって枯れ色になっていました。登山道は一切経山と鎌沼との分岐点になっていて、まずは右折して一切経山を往復してから、直進方向の鎌沼へと向かいます。
こちらが右折方向ですが、まだ一切経山は見えていません。
前の写真にも小さく写っていますが、すぐに酸ヶ平避難小屋の前を通過していきます。
酸ヶ平避難小屋を過ぎてから振り返ると、酸ヶ平の小湿原の先に、後で向かう鎌沼が見えてきていました。

その先にも、岩ゴロでザレた地面の歩きにくい登りが続きますが‥‥。
ようやく前方に目的の一切経山を捉えると、そこからは傾斜が緩んでくれました。
とはいえ、岩ゴロのザレた地面は相変わらずで、あまり快調には登れません。
それでも、最初のうち一切経山を隠していた手前の山に達したあたりからは、地面が砂礫だけになって、かなり歩きやすくなりました。
振り返ると、吾妻小富士がすっかり眼下になっていました。
いよいよ頂上が目前です。ところで寒さを心配していたら、気温が思ったほど低くはなくて、自宅から羽織っていたフリースは登り始めてすぐに脱いでいました。しかし元々少し強めに吹いていた冷たい風が、前方に遮る物がなくなったこの付近で急に強まったので、ここからは再びフリースを羽織り、手袋もして登っています。

一切経山の頂上に到着しました。
歩いてきた時間は浄土平から1時間と少々、標高差も400mに満たないほどなので、ほとんど疲れはありません。
かなり広い頂上です。とにかく風が強いため、皆さん風下側の斜面で休憩していて、風上側には誰もいません。
周囲には360度の大展望があって、三角点の等級も一等でした。
頂上を通り過ぎて北側に少し下ると、本日最大のお目当てだった『魔女の瞳』が姿を現しました。これが見たかったんですよ!。吾妻山の火口湖のひとつである五色沼は、光線の具合で刻々とその色彩が変化することや、割と整った円形をしていることから、このように呼ばれることになったとか。
上空には雲も多かったのに、この時まではしっかりと晴れてくれて、日差しを受けて青く輝く水面が見られたのはラッキーだったと思います。異名の持つ印象からか、本当に吸い込まれそうな色に見えました。

もうひとつ目を奪われたのは、やはり周囲に広がるパノラマでした。東南側から西側にかけての眺めがこちら。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
吾妻小富士と安達太良山をアップにしました。写真右奥にやや淡く写っているのが安達太良連峰です。
続いて磐梯山のアップです。写真では少し分かりにくいのですが、磐梯山の後方で、より遠くの山々が雲海に浮かんで見えているさまも綺麗でした。
一方こちらは西側から北側にかけての展望です。月山の右奥には、遙か遠くの鳥海山が霞んで見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
蔵王連峰を少しアップにしてみました。

あまり時間に余裕がありませんし、寒風に吹かれていると身体が冷えますし、さほど疲れてもいないので、短い休憩ののち一切経山を後にします。ガレ場・ザレ場の下りには慣れているので、難渋している人たちも多かった中をスイスイと飛ばして、あっという間に酸ヶ平の湿原と鎌沼が見えるところまで下ってきました。
一切経山から酸ヶ平の分岐点まで、下りは15分しか掛からなかったので、この後の行程が少し楽になります。
登山者が多かったりして思うようなペースで歩けなかった場合には、鎌沼への寄り道を省略することも考えていたのですが、通行規制の解除直後ということもあってか、幸い登山道が渋滞するような人出はありませんでした。
ということで、分岐点からは当初の計画通りに鎌沼へ向かいます。これまで荒涼とした風景の中ばかりを歩いてきたので、酸ヶ平の穏やかな景色には心が癒されるような気分でした。

ほどなく鎌沼が見えてきました。
鎌沼の西岸には木道が続いていて、周囲を約半周することができます。
鎌沼の畔を歩いている間、ずっと曇っていたのが残念です。
半周もしていると、岸辺の様子には次々と変化があり、対岸に見える山も入れ替わりました。
このあたりで鎌沼は見納めとなりました。木道は次第に岸辺から離れていきます。

鎌沼を離れて少し進むと、浄土平と、これから登る吾妻小富士が見えてきました。
ただ、ここから浄土平への下りが、特にはじめのうちは少々歩きにくかったです。このように木段になっている分には問題ないのですが、そこそこの傾斜があるのに足元の良くない箇所も結構ありました。
戻ってきた浄土平は、今回はただ通過するだけで先へ。
締めは、この吾妻小富士です。最初に見た時と変わらず、観光客の列が途絶えることなく続いていました。

それでは、吾妻小富士への登山、スタートです。標高差は130mほど、ほんのひと登りというところでしょうか。
しかし、稜線に上がるまでずっと続いていた木段が、元々歩幅の合わない段差がある上に荒れていて、歩きにくいことといったら。段と段の間の土砂が流れて障害物のようになっている箇所も多々あって、登山者しか歩かないような道ならまだしも、観光客には少々酷かなと思いました。そろそろ再整備するほうがよろしいのでは?
それでもこちらは、一応は山慣れしている身です。歩きにくさゆえに(単に登るのが辛くて、という人も少なくなかったのかも)あちこちでヨタヨタしている観光客を横目に、5分もあれば稜線に出ました。
火口を挟んだ向かい側に最高点があって、すでにそこまでの標高差の半分は登り終えたでしょうか。どちらからでも回れますが、登りが、距離が長くてアップダウンもある道のりになるよう、反時計回りを選びました。

ここから、火口壁をぐるりと一周する、いわゆる「お鉢巡り」が始まります。まだしばらくの間は、登り坂が主体となっていて、いくつかの小さなコブを越えながら登り詰めていく具合でした。
振り返ると、浄土平がもう結構小さく見えています。その右上が最初に登った一切経山で、左手前ピークの中腹からは、噴気が上がっているのが分かりました。(下の写真にマウスを乗せると噴気孔の位置を示します)
2つめのコブまでは、割としっかり登らされる感じでした。稜線上は砂礫の穏やかな道になっていますし、外側もなだらかな斜面なのですが、火口壁の内側はどこも結構険しかったです。
2つめのコブを越えれば、あとはもう小さなアップダウンを残すのみ。その先に待っていたのは、天空の散策路とでも呼ぶべき、実に気持ちの良い稜線歩きでした。
浄土平から見て向かい側に当たる場所まで回ると、反対側の火口壁越しに一切経山を望む眺めになりました。火山活動の繰り返しが生んだ荒々しい山肌が印象的で、本当はもっとスケールの大きな風景が広がっているのですが、あまりの大きさゆえにカメラに収まりきらず、その規模感をお伝えできないのが残念で仕方ありません。
奥に見える最高点が迫ってきて、目の前にあるコブが、どうやら最後のアップダウンになるようです。
いよいよ次のピークが最高点。到着は間もなくです。

頂上を示す物はありませんでしたが、ここが吾妻小富士の最高点の模様。厳密には右端の岩の頂点でしょうか。
ということで、その岩の上にも立っておきました。岩の頂点を見ると粗いコンクリート製の土台状のものがあり、ボルトだけが上に突き出ていたので、かつて、何らかの標識的なものが設置されていた痕跡かもしれません。
吾妻小富士からも、360度の大展望が楽しめました。こちらは近くに山々が連なる、南側~西側の眺めです。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南側の展望をアップで。写真左奥が安達太良山です。
こちらが北側の展望で、右奥の彼方に霞んでいるのが蔵王連山。手前で白い山肌をさらしているのはシモフリ山で、火山ガスの噴出が盛んなためにこのような景観をしています(このあと、帰りのバスがこの中を通過して行くのですが、この区間では走行中に窓を開けないようにと書かれた道路標識が立っていました)。
東側の眼下には紅葉の素晴らしいエリアが広がっていて、最初にその中をバスで通ってきていたのでした。さらにその先には福島市街が広がっていますが、靄がかかってそこまで見渡せなかったのが残念です。

吾妻小富士で少し休んだら、まだ少し早いですが浄土平に戻ってしまうことにして、お鉢巡りを完成させます。しばらく下ったあたりから、吾妻小富士の最高点を振り返りました。
下りはあっという間で、5分ほどで浄土平への下り口まで来てしまいます(観光客は、慣れないザレ場の下りにあちこちで右往左往したりしていましたが‥‥)。
木段区間に入ると、しばしば観光客の列に追いついて思うように進めなくなりますが、これだけ歩きにくい木段ではそれも仕方ありません。さらに、まだこれから登ってくる観光客も多くて、すれ違いも多々発生しました。
それでも、吾妻小富士の最高点から浄土平までは10分ほど。観光客も多いエリアなので、計画通りに運ぶか心配もしていたのですが、終始いいペースで歩けたので、帰りのバスに1時間の余裕を持って戻ってこられました。
そのおかげで、レストハウスに寄って、軽く腹ごしらえをしたり、お土産を買ったりする時間が取れました。
最後はこのバス停に並んで、帰りのバス(すでに停まっていますが)を待ちます。意外なことに、帰りは全く遅れないどころか、定刻よりも早くに福島駅に着いてくれて、新幹線への乗り継ぎもいたってスムーズでした。

タグ:東北
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コメント 4

ぴすけ

cellistさん、吾妻に行ってこられたのですね。
五色沼もきれいに見えて、良かったですね。
バス時刻が「なんでかな~」みたいな2便しかないので不便ですが、また季節を変えて行ってみてください。
吾妻は植物の種類も豊富だと思いますし、残雪の季節も美しいですよ。
by ぴすけ (2016-10-26 23:22) 

cellist

ぴすけさん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。
歩いていたのは3時間ほどでしたが、その間じゅう、どこにいても景色が期待以上に素晴らしくて、終始テンションが高いままでした。ほかの人に勧めたくなる場所ですね。
私自身も、今度はもう少し緑の濃い時期に行ってみようと思っています。または、ぴすけさんの先月の記事の写真が綺麗でしたから、紅葉に合わせられれば、やっぱりそれがベストかなぁ。

by cellist (2016-10-27 22:30) 

吉田一也

cellistさん こんにちは。
ご無沙汰しており、お久しぶりですね。

僕も後塵を拝して11月に行って来ました。
夜行バスで行ったので、高湯温泉から歩いて浄土平に行きました。

解除になって良かったですね。
こんなに素晴らしい景色を見られるのですから。

ヤマレコのアップを中断されたのは残念ですが、また何処かでお会い出来ることを願ってます。

niiniこと吉田一也でした。
by 吉田一也 (2016-11-30 10:54) 

cellist

管理画面にお名前が表示された時はどなたかと思いましたが、niiniさんでしたか。お懐かしゅうございます。このようなところまでご覧頂いてありがとうございます。
お久しぶりというか、私のほうが一方的にご無沙汰している形ですみません。

高湯から歩かれるとは、やはりniiniさんらしく、健脚は相変わらずのようですね。
私のほうは短時間の滞在でしたが、それでも景色の素晴らしさは強く印象に残っています。

ここ2年ほどは山行が低調でしたが、最近ようやく、出掛ける回数を少し増やせるようになってきました。このペースで歩いていれば、またお会いすることもあるかもしれませんね。

by cellist (2016-12-01 01:16) 

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