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要害山・能岳・八重山 [高尾・陣馬]

2016/05/03(火・祝)

■第326回 : 要害山(536m)・能岳(542m)・八重山(530m)


GWの混雑を避ける形で、今回は近場に出掛けてきました。歩いてきたのは、いずれも上野原市や富士急バスが宣伝に力を入れている、「要害山」と「八重山」を巡る2つのハイキングコースを繋いだルートです。

一応晴れてはいたものの、上空は終始薄雲に支配されていて、2つのコースの最大の見所である展望が近い範囲の山々にとどまってしまったのですが、新緑の鮮やかな色彩に囲まれた中、標高が低いにもかかわらず常に涼しげな風が吹いてくれたのにも助けられて、清々しい気持ちで歩くことができました。

(往路)
古淵 05:50-06:12 八王子 06:18-06:25 高尾
高尾 06:30-06:46 上野原 07:01-07:14 新井

(登山行程)
新井バス停  07:15
要害山    08:05-08:15
コヤシロ山  08:50-09:00
実成山    09:05
尾続山    09:20-09:25
尾続バス停  09:40
山風呂バス停 10:10
能岳     10:45-10:55
八重山    11:00
八重山展望台 11:10-11:20
登山口    11:40-11:50
大堀バス停  12:00

(復路)
大堀 12:08-12:21 上野原 12:28-12:45 高尾
高尾 12:46-12:53 八王子 13:10-13:22 橋本
橋本 13:24-13:35 古淵


大きなマップで見る

この日はまず、上野原駅に着いた時点で計画の見直しを迫られました。駅前のバス乗り場にある掲示板で、当初予定していたルートに工事による通行止め区間があることがわかったのです。
それは下図×印の西沢泉橋で、補修工事のため2016年4月4日~6月10日の期間で終日通行止めとのこと。要害山から始まる周回を終えて一旦市街地に下りてきた後、能岳の登山口に移動する途中にその場所はありました。
能岳で元々知っている登山道といえば、登る予定だった青破線ルートと、下る予定の黒線ルートの2本だけ。
黒線ルートの往復になっては面白味に欠けますし、ルートとしても美しくありません。能岳と八重山には前に1度登っているため、無理して登ることもなく、この日は前半の要害山周回だけにしようかと一旦は考えます。
しかし、バス乗り場で集めたパンフレットをバスの車内で見ていると、能岳には登山道がもう1本あって(上図の赤線)、元のルートから無理なく変更できることも分かり、予定通り能岳と八重山にも登ることにしました。

終点の新井まで乗っていたのは私だけでした。同じバスには、通学の高校生に混じって、私のほかに1人だけアウトドア系の人がいましたが(ランナーっぽかった)、大堀で降りたので八重山方面に向かったのでしょう。
新井バス停のすぐ先に、通行止めの標識が立っていました。もしも駅前で掲示板を見ていなかったら、ここでこれを見て慌てたんだろうなぁ。
車道を歩き始めると、早速このあとすぐに巡る山々が前方に姿を現しました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。

新井バス停から約10分で、ハイキングコースの起点とされている鏡渡橋バス停まで来ました。ここまで来るバスもありますが、それを待つと歩き始めが約1時間遅くなりますし、鶴峠まで行く便なので混雑も必至でしょう。
バス停のすぐ手前で左に分かれる細い道を、要害山を示す道標(写真左端)が案内していました。
その細い道に入ると、そこから登り坂が始まります。
少し登ると小さな集落に出て、民家や畑地の中を抜けていくと、要害山(写真右上)が目の前に迫ってきました。
集落の一番奥が登山口になっていました。でも登り始める前に、上に見えてきた山神社に寄っていきます。
鳥居が立派な割には、社はトタン壁のお粗末なものでしたが、1日の安全を祈って手を合わせていきました。

この1~2年で整備されたコースですが、登山道は良く踏まれていて明瞭ですし、分岐にはしっかり道標が立っているなど、整備状況は良好なようです。一貫してやや急な傾斜が続くため、標高差が小さいながらも登り応えはありましたが、それでも歩きやすい道が続いていて、特段の注意を要するような箇所はありませんでした。
下部は植林が主体でやや単調な登りでしたが、上部は雑木林が増えてきて、新緑の中を歩けるようになります。
ずっと急だった登りも、頂上が近付くと傾斜が少し緩んできたようです。この時期らしい柔らかな緑に囲まれた中を歩く、とても気持ちの良い道でしたし、時折咲いているツツジにも心が和まされました。

要害山の頂上に到着しました。鏡渡橋バス停から約40分、登山口の山神社からはわずか25分ほどの道のりで、特に疲労感はありません。無人の頂上で悠々と過ごせた、と書きたいところでしたが、実は厄介な邪魔者も‥‥。
そう、あまり多くはないものの、周囲ではツツジが満開だったのです。そのためか多くの熊蜂が、強烈な羽音とともに頭上を飛び交っていて、さほど危険はないと分かっていても、とても落ち着いてはいられませんでした。
薄雲が多くて空全体が白っぽかったこの日は、展望も今ひとつでした。すぐ近くの丹沢あたりの山並みですら、大いに霞んで辛うじて見えている程度で、写真を縮小したら、もう空との区別が付かなくなってしまいます。
大きな杉の木の下に祀られていた秋葉大権現。杉には用がないのか、この前では熊蜂の脅威はありませんでした。このほか、戦国時代に山城が築かれていたことから、その由来や遺構を簡単に記した解説板などがあります。

要害山から縦走を開始して、軽く下るとすぐに北西側の鞍部に着きました。「秋葉大権現」と刻まれた石灯籠が立っていて、元来こちら側から登られる山だったらしい。ちなみに石灯籠は寛政八年(1796年)の建立だとか。
鞍部は十字路になっていて、左右の集落から登ってくる道も、いずれも良く歩かれているようでした。
鞍部を過ぎると、小さなアップダウンを何度か繰り返しながら、新緑に染まるヤセ気味の尾根を進むようになります。要害山の周囲だけを歩くケースも少なくないのか、鞍部から先では山道も少し細くなったようでした。

何度目かのアップダウンの末に、「風の神」の小ピークに到着。この小さな祠が「風の神」なのでしょうか。
「風の神」も展望が開けた地点だったのですが、この日はこんな見え方に終始しました。写っているのは西丹沢や道志あたりの稜線で、一番左が大室山。天気が良ければ、右端のほうに富士山が見えるのでしょうが‥‥。
「風の神」で右に折れた先に、補助ロープが下がる急坂が現れて、ここが要害山ハイキングコースの中で足元に注意を払う必要がある唯一の箇所でした。地面が一応階段状になっていて、下りでもロープは使わずに済みましたが、仮に雨などで滑りやすい状況の時でもロープがあるので安心でしょう。
急降下を終えたら、登りが優勢なアップダウンが続いて、このコースで一番標高が高い一帯を目指します。
樹木が茂って左右ともに見通しがきかず、あまり実感できませんが、一応はずっと尾根道が続いているのでした。

コヤシロ山に到着です。この地点の標高は、地形図では600m圏だとしか分からず、次に向かうすぐ隣の実成山に609mの標高点が打たれていることから、パンフレットではそちらがこのコースの最高点とされています。
しかし、カシミール3Dのスーパー地形セットの標高値(ベースは国土地理院の基盤地図情報)が、実成山よりも高い610.757mを示しているので、実質的にはこのコヤシロ山がコースの最高点なのかもしれません。
コヤシロ山は分岐点にもなっていて、北西方向に進むと、尾根伝いに権現山まで歩けるようです。
展望は相変わらず‥‥、かと思ったら、実はこの方向に幽かに富士山が見えていることに気付きました。肉眼でも白い空とやっと見分けが付く程度の淡すぎる見え方で、どう工夫して撮っても写真にはうまく収められなかったのですが、もしかすると気付かなかっただけで、要害山やコヤシロ山からも見えていたのかもしれません。

コヤシロ山から実成山までは、ほんの目と鼻の先でした。この方向に歩いてくると、実成山の手前にあまり登りらしい登りがなくて、頂上に立ったという気分が希薄でしたし、展望もないのでここはスルーしてしまいます。
実成山を過ぎると山道は概ね下りに変わります。ところでこのコース、コヤシロ山までは道の様子に変化があって新緑も美しく、それなりに楽しく歩けましたが、コヤシロ山から先はやや平凡な印象に終始する感じでした。
このコース最後のピークとなる尾続山も、展望のない地味な地点でした。腰掛けられる物もなくて(三角点も椅子代わりにするには低すぎました‥‥)、ここでは立ったままで小休止していきます。
尾続山からは、はじめのうちは小さな登り返しもありますが、その後はグングンと下ります。ところどころで道が深く抉れたようになっていたので、このあたりは古くから良く歩かれていた道なのかもしれません。
新井バス停から歩き始めて以来、全く登山者を見ていなかったのですが、山道を下り切って集落に入ったところで、単独行の男性とやっとすれ違いました。この写真はそのあとすぐに、左の小道からバス通りに出てきたところで、少し先に尾続バス停が小さく見えています。ここで少々気になったのは、逆コースで歩こうとした場合に、ここが入口であることが分かりにくいと感じたことでした。

新井バス停からは、鶴川を挟んで対岸にある能岳の登山口に向かうため、まずはバス通りを棡原大橋の手前まで歩いてから、大回りして少し戻る形で、鶴川に架かる万年橋へ通じる脇道に入る予定でした。
が、その途中でガードレールが不自然に途切れた箇所を発見。それまで反対側の路側を歩いていたのですが、道路を渡って様子を窺うと、思った通りに下っていく道が隠れていました。万年橋への近道に違いありません。
その小道は、確かに万年橋への道に通じていて、実際に近道になりましたし、歩道がないのに交通量が多くて危なっかしいバス通りを長く歩かずに済んだのも好都合でした。でも最後は民家の庭先を通るような形になってしまい、私有地のようでもありましたし(だからグーグルマップに載っていないのかも)、通行を制限するような掲示こそ見ませんでしたが、こうして公開してお勧めして良いのかは微妙な感じなのかもしれません。

それはさておき、小さな集落内を下った先に見えてきた万年橋は、予想していたよりもずっと華奢な橋でした。
万年橋のすぐ手前まで民家があって、普通に車道が通じていたのに、この橋はもう完全に人道橋ですね。
そして橋を渡った先が、いきなり山道と化していたのも予想外でした。橋へと通じる道なので、林道に近いか遊歩道っぽい、もっと普通の人が普通に歩ける(なんなら自転車でも通れるような)道を想像していたのです。
ここでは意外にガッツリと山道を歩かされました。なるほどこれでは、グーグルマップに何も出ていない訳だ。

向風の集落内に入って、市道に突き当たったところです。当初の計画ではここを左折する予定でしたが、すでに右折に計画変更しています。そしてここにも、左折方向の先に通行止め区間がある旨の案内が出ていました。
先程のT字路を右折すると、すぐに向風バス停がありました。ここまで来るバスは、もう何年も前から、平日朝の1往復のみで変わっていません。いわゆる免許維持路線ってやつでしょうか。
バスの1区間分を歩いて、山風呂バス停があるT字路まで来ました。パンフレットによれば、ここでバス通りを外れて細い道に入り、しばらく進んだところに能岳の登山口があるはずです。
しかしT字路から、山のほうへと向かう小道に「能岳八重山近道」の標識を発見。入ってみることにしました。

すぐに現れた山道は、マイナーな存在かと思いきや、良く踏まれた感じの明瞭な道でした。ただこの日はまだ誰も歩いていなかったのか、時々クモの巣が道にかかっていたので、落ちていた枝を拾って払いながら進みます。
そして7~8分ほどで、より明瞭な道に合流しました。こちらが元々目指していた道のようで、近道成功です。
その道は一定して緩やかな傾斜が保たれていて、すでに1コース歩き終えた疲労感の中でも、楽に歩けました。
しかも、新緑に囲まれた清々しい道が続きます。元々傾斜が穏やかなところに、さらに心地良い景色が後押ししてくれて、疲れで足が重くなりかけているのに、それでも快適な気分で歩けてしまう、そんな道でした。
結構登ってきたことが周囲の景色から実感できるようになった頃、4叉路に出ました。ただでさえ、通行止め区間の迂回のために計画外のコースを歩いていて事前調査不足なのに、さらに手持ちのパンフレットにもない分岐が現れて道の状況を把握しきれていませんが、とりあえず能岳を目指しておけば堅いでしょう。
するとそこから先は傾斜が少し強まりましたが、ほんの数分で尾根に上がって、もう能岳の頂上は目前でした。

能岳の頂上に着きました。能岳と八重山は2009年に登っていて、訪れるのは今回が2度目になります。
前に来た時、確かここには三角点しかなかったので、テーブルとベンチはその後に設置されたようです。
頂上標柱と三角点です。着いた時には4人組の先客がありましたが、ほとんど入れ替わるような形になって、それから10分ほど休んでいる間は1人で静かに過ごすことができしました。

能岳と八重山はすぐ近くにあって、穏やかな尾根道を5分も歩けば行き来できてしまいます。
こちらが休憩舎のある八重山の頂上です。
2009年当時は、この頂上一帯を公園化するために、1度すっかりハゲ山にされたまさにその時に当たっていて、あまりの無残な姿に心が痛んだのでしたが、7年の時を経て、すっかり緑の山頂に生まれ変わっていました。
八重山の標高は、地形図では520m圏にあるのですが、この標柱は530mを主張しており、国土地理院の基盤地図情報でも530mを示しているので、この記録でも530mを採用しています。
その先の展望は権現山の方角ですが、標柱右上の一番高いピークに電波塔が見えるので、手前にある雨降山が重なっているらしく、その奥の権現山が見えているかどうかは霞んでいることもあってハッキリしませんでした。
能岳で休んだばかりなので、八重山の頂上はやり過ごして、展望台へと向かいます。
ツツジの花に心は癒されますが、ちょっとした尾根道のアップダウンが、そろそろキツくなってきました。
歌碑のある506mピークを越えてから軽く下り、鐘のモニュメントが見えてくれば、展望台はすぐ先です。
展望台に到着。2009年に来た時も、この展望台はもう完成していて、そこからの眺めは素晴らしいものでした。
でも朝から空が白かったこの日は、そこまでの眺めはなくて、比較的近くの山々を見渡すのがせいぜいでした。
そんな中で、富士山が辛うじて存在が分かる見え方になっていたので、酔狂な方は大きな写真でご確認下さい。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
丹沢方面は、一応は最高峰の蛭ヶ岳まで見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

展望を楽しんだら、あとは下るだけです。展望台の直下は少し傾斜があるためか、はじめは木段が続きました。
その後は比較的穏やかな道に変わってさらに下り、林道のようなほぼ平坦な道に出れば、間もなくゴールです。
駐車場に到着です。まだお昼前でしたし、短時間で登れる山なので、出て行く車もあれば入ってくる車もあるという、そんな時間帯でした。
駐車場にはきれいなトイレもあって、そこで着替えを済ませつつ、ベンチで時間調整をしていきます。
駐車場から大堀バス停までは、車道をゆっくり歩いて10分ほど。ベンチがあるバス停で座ってバスを待ちます。次に来るのは飯尾からの便でしたが、ほぼ定刻にやって来て、休日のお昼時とあってか乗客は数えるほどでした。

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